日立製作所と日立ビルシステムは17日、タブレットなどで多言語での受付・接客対応などを行うアプリ型のコミュニケーションロボット「EMIEW-TT(エミュー・ティーティー)」を開発したことを発表した。

  • 「EMIEW-TT」を活用したサービス提供イメージ

    「EMIEW-TT」を活用したサービス提供イメージ

両社はこれまで、2016年4月に日立が開発したコミュニケーションロボット「EMIEW3(エミュー・スリー)」と、リモートブレイン構成のロボットIT基盤を用いた受付・接客対応などの実証実験をさまざまな施設で行ってきた。同ロボットの特長である自律走行や多言語会話などの機能のうち、多言語会話による情報提供の機能に特化し、容易に設置・導入できるモデルを求める声が多かったという。

このたび開発された「EMIEW-TT」は、タブレットなどで「EMIEW3」のアバター(分身)と多言語で会話ができるアプリで、公共空間での利用に求められる雑音環境下での音声認識性能に特長がある。

タブレット上で動作させる場合は、人が近づいてきたことを検知する近接センサーと多方向からの音声に対応可能なマイクを備えた専用のクレードルを組み合わせて使用する。人がタブレットに話しかけると、EMIEW3のアバターとの会話が始まる。質問に対する回答は、ロボットIT基盤に蓄積したデータを照会して行い、質問内容に応じて施設情報などを画面上に表示し、会話内容も画面上に表示されるということだ。

  • 「EMIEW-TT」操作画面イメージ

    「EMIEW-TT」操作画面イメージ

日立と日立ビルシステムは、人手不足や外国人対応などの課題を抱える商業・複合施設、ホテル・旅館、駅、オフィス、マンション、病院・介護保険施設などを対象に、「EMIEW-TT」および「EMIEW3」を用いた実証実験を推進するとともに、さらなる機能強化を図るとしている。