JR東日本は15日、「東京感動線 / TOKYO MOVING ROUND」のコミュニケーションワードの下、山手線を起点に、まちの個性を引き出し、まちや人が有機的につながる心豊かな都市生活空間を継続的に創り上げていくプロジェクトを始動すると発表した。その一環として、新大久保駅に新しい食文化を創造することを目的とした交流拠点を開設するとともに、昨年に続いて「TOKYO SEEDS PROJECT 2018」を開催する。

  • プロジェクトのキービジュアル

  • 「東京感動線 / TOKYO MOVING ROUND」コミュニケーションロゴ

山手線は世界的にもユニークな地上を走る都心の環状線であり、歴史的・文化的に多様な個性のまちとまち、人と人をつないでいる。JR東日本は今回始動するプロジェクトにより、移動を含めた日常生活の利便性を高めるサービスに加え、多様なまちや人の個性を引き出し、駅と駅、駅とまち、人とまち、人と人のつながりを創り出し、心豊かな都市生活空間を創造していくとしている。プロジェクトの3つのポイントとして、「まちの個性が感じられる駅づくり」「まちを探索したくなるしかけづくり」「まちやお客さま自身の個性を再発見・新発見する体験づくり」を挙げている。

今回のプロジェクトでは、山手線を起点に「心豊かな都市生活空間」を創造していく取組みを継続的に発信するため、コミュニケーションワードとコミュニケーションロゴを制作。コミュニケーションワード「東京感動線 / TOKYO MOVING ROUND」の「MOVING」は、まちの魅力や楽しさが詰まったワンダープレイスである「東京」で、快適な「移動」(MOVE)、心が動く「感動体験」(MOVED)、未来に向かって「進み続ける」(MOVING ON)といった価値や意志、「ROUND」は環の形状を有する山手線が創り出す、まちやひとのつながりや循環を表している。

  • 新大久保駅に開設される「食」に関わる交流拠点。シェアダイニング(画像左)とコワーキングスペース(同右)のイメージパース

新大久保駅には山手線沿線でもとくに「国際的」「豊かな食」という個性を持つことから、駅に隣接するビル内の3階にシェアダイニング、4階にコワーキングスペースを備えた「食」に関わる交流拠点を開設し、食を通じた新しいライフスタイルを提案する。

シェアダイニングはアットホームなプライベートダイニングから中規模なイベントまで開催可能な可変性のあるスペースとし、社会課題解決や若手シェフの応援など多彩なテーマで食事会や学びの場を提供。コワーキングスペースは多彩な食のプロプレイヤーが集うことを想定し、デスクワークやミーティングをはじめ、テストキッチンで即興的に調理や実験ができる環境を整備する。

「TOKYO SEEDS PROJECT 2018」は昨年に続いて開催される、世界各国のデザイナーが東京の個性豊かなまちの魅力を異文化視点で発掘するプロジェクトで、今年は10月17~25日の9日間開催。今年も世界5大陸の6つの国・地域(アイルランド・米国・ウガンダ・オーストラリア・台湾・ブラジル)から招聘した6名のデザイナーが、山手線や山手線沿線のまちについてのコミュニケーションデザインを提案する。このプログラムの活動とデザイナーからの提案を、国内外に向けたコミュニケーション、海外事業展開やインバウンド戦略などに生かしていくとのこと。