• 三菱エアコン「霧ヶ峰」

    三菱電機の「霧ヶ峰」といえば、「暑がりさんと~寒がりさんの~」で有名

三菱電機は8月21日、ルームエアコン「霧ヶ峰」の2019年モデル「FZシリーズ(以下、FZシリーズ)」および「Zシリーズ(以下、Zシリーズ)」を発表しました。11月1日に発売します。

両モデルともに独自の高性能センサー「ムーブアイ mirA.I.(ミライ)」を搭載。さらに、AIが運転モードを自動で切り替える新機能「おまかせA.I.自動」に対応しているのが特徴です。ちなみに、両モデル最大の違いはファンの形状。FZシリーズは左右で独立駆動する三菱電機オリジナルの2枚プロペラファンを採用しており、ひとつのエアコンから「弱い風」と「強い風」の2種類の気流を作り出せます。一方、Zシリーズは一般的なクロスフローファンを採用し、作り出せる気流は1種類です。

価格はいずれもオープン。推定市場価格(税別)はFZシリーズが328,000円前後(4.0kW)~448,000円前後(9.0kW)、Zシリーズが218,000円前後(2.2kW)~398,000円前後(9.0kW)となります。

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    左右独立駆動プロペラファンを搭載する霧ヶ峰 FZシリーズ

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    クロスフローファンを搭載した霧ヶ峰 Zシリーズ

どんどん進化する「ムーブアイ」

三菱電機のエアコン「霧ヶ峰」シリーズにおける上位機種の特徴といえば、なんといっても18年にわたり進化し続けている「ムーブアイ」でしょう。ムーブアイとは室内の環境を見張る独自の赤外線センサーのこと。ムーブアイが登場した2000年当初は床の温度をチェックするシンプルなセンサーでしたが、3年前に発売された2016年モデルでは、室内にいる人の体幹と手足の温度差をチェックして、室内にいる人の「体感温度」まで予測。同じ室内に「暑がりさん」と「寒がりさん」がいても、気流の吹き分けによってみんなが快適に過ごせるようになりました。

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    2000年から進化している赤外線センサー「ムーブアイ」。センシングする項目が次々と増えているのがわかります

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    霧ヶ峰 Zシリーズの「ムーブアイ mirA.I.」。本体から出っ張るように配置されているので、360度ほぼ死角なくセンシングできるのも特徴です

さらに、昨年(2017年)に発売された霧ヶ峰の2018年モデルでは、室内環境を学習して少し未来の温冷感を予測する「ムーブアイ mirA.I.(ミライ)」を用意。一般的なエアコンは人が「暑い」「寒い」と感じてから温度を変更しますが、ムーブアイ mirA.I.は未来を予測して人が「暑い」など不快感を抱く前に、エアコンの先読み運転ができるのです。2019年モデルのFZ/Zシリーズも、このムーブアイ mirA.I.を備えています。

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    室内環境をセンシングすることで「暑くなる前に冷房運転」を行うため、暑さを感じる時間がほとんどないといいます

温度と湿度をコントロールして省エネに

さらに、FZ/Zシリーズは新機能として「おまかせA.I.自動」を搭載。これは、「ムーブアイ mirA.I.」で少し先の室内温度や湿度を予測し、AIがエアコンを最適な運転モード(暖房・冷房・除湿・送風)と気流に自動で切り替えるモードです。

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    「A.I.ボタン」ひとつで運転モードを気にすることなく快適な空間を実現できるという「おまかせA.I.自動」機能。運転中はリモコン下部の「AIナビ」で省エネに関するアドバイスなどさまざまな情報を表示できます

三菱電機によると、じつは多くの人が「冷房」や「除湿」など運転モードの切り替えに戸惑っているといいます。とくに、最近の住宅は高気密高断熱タイプが多く、夏に「冷房」モードで運転すると室内温度が快適になっても湿度が高いままで不快になることがあるそう。だからといって「除湿」モードで運転すると、今度は温度が下がらず暑いと感じる場合もあるのだとか。

「おまかせA.I.自動」は、「室内の湿度」に加えて「室内にいる人の体感温度」「室温や日射熱などの環境変化」などを検知。室内環境を学習して、冷房、暖房、除湿、送風の4モードと気流の制御を自動で切り替えて「快適な空間」を作り出します。たとえば夏なら暑くなる前に冷房運転をし、湿度が上がる前に除湿を実行。温度と湿度が最適な状態になると送風運転に切り替わるので、快適なだけでなく省エネにも役立つそうです。

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    夏におまかせA.I.を運転した動きの一例。快適な温度・湿度になると送風運転に切り替わり、「快適さ」と「省エネ」の両方を実現しています

46度の酷暑でも部屋が冷える「STRONG冷房」

FZ/Zシリーズの新機能で、もうひとつ魅力を感じたのが「STRONG(ストロング)冷房」機能。室外機まわりの温度が46度まで上がっても、冷房運転を保証するというものです。どういうことか説明すると、エアコンは室外機から吸い込む空気の温度が一定以上になると、故障防止のために断続運転へ切り替わることがあります。

断続的に冷房運転をしても、室温はなかなか下がりません。ちなみに三菱電機の従来エアコンが確実に冷房運転できるのは43度まででした。2018年は異常気象といわれるくらい暑い日々が続いているので、この機能は非常に魅力的ですね。

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    約46度の環境に室外機をおいても、室内エアコンからは約11度の冷たい気流が確保されています。酷暑でも安心して使えそう

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    46度の環境がどのようなものか確認するため、マイナビニュース編集部員が手を入れたところ。「お風呂みたいな温かさ」だそう

「いくら酷暑でも我が家のある地域は40度以上にならない」と思う人がいるかもしれません。ですが冷房運転時、エアコンは外にある室外機から熱い空気を吹き出しています。マンションのベランダのような狭い場所にエアコンの室外機を置いていると、室外機が吐き出した温風をふたたび室外機が吸い込んでしまう「ショートサーキット」とよばれる現象が起きることもあります。こうなると外気温が30度台でも室外機のまわりだけ温度が上がり、冷房がうまく動かないことがあるのです。身に覚えがある人はご注意ください……。

独自の清潔機能はもちろん健在

三菱電機のエアコンといえば「掃除のしやすさ」も人気でしたが、もちろんFZ/Zシリーズにもエアコン内部を清潔に保つ工夫が散りばめられています。カビやホコリで汚れやすい熱交換器やファンなどには、特殊な「ハイブリッドナノコーティング」を採用。フッ素粒子と親水性薄膜により、ホコリや油分などの汚れを付きにくくしています。さらに前面パネルはもちろん、フラップやフィルターおそうじメカなど、汚れやすいパーツを取り外して掃除することもできます。

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    ルーバーやおそうじメカなど、汚れやすいパーツを取り外して掃除ができる「はずせるボディ」も三菱ならでは

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    お掃除もしやすくなっています

ちなみに別売の無線LANアダプター(税別10,000円)を装着すると、スマートフォンと連携が可能。スマートスピーカーによる音声操作にも対応する予定で、まずは「Amazon Alexa」で操作できるようになります。