アクセンチュアは8月3日、ブロックチェーンプラットフォーム「ブロックチェーン・ハブ」の本格展開を開始すると発表した。まずは金融業界向けに提供し、その後、他の業界にも展開するという。

「ブロックチェーン・ハブ」は、複数のブロックチェーン・エンジンから、エンジンを選んで利用でき、複数のブロックチェーン・エコシステムをハブでつないで連携できるという。

また、ユーザー情報の管理、UI、ブロックチェーンへのアクセス権制御、取引の訂正・取消、記録するデータの作成など、周辺機能も共通機能として合わせて提供する。

  • 「ブロックチェーン・ハブ」の4つの特徴

  • 「ブロックチェーン・ハブ」のアキーテクチャ構成

  • 「ブロックチェーン・ハブ」のアキーテクチャ全体像

ユースケースとしては、軽量金融基幹系(P2P保険、デジタルバンクなど)、地域仮想通貨エコシステム、コンソーシアム内での情報共有台帳、個人情報銀行、プライバシー情報分析基盤などを想定する。

利用は、企業内、コンソーシアム内など、閉じた世界での利用を想定し、アクセンチュアが関わる開発案件での提供が中心になる。

すでにふくおかファイナンシャルグループが、「ブロックチェーン・ハブ」を利用した地域ポイントプラットフォームを開発中だという(2018年秋提供予定)。「ブロックチェーン・ハブ」を利用することで、他のポイントプラットフォームとの連携が容易になるという。

  • すでにふくおかファイナンシャルグループが開発中のマネーサービス

アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 テクノロジーアーキテクチャ グループ マネジング・ディレクター 山根圭輔氏は、「ブロックチェーンはPoCによって、できること、できないことがわかってきたが、ブロックチェーンのエンジンは戦国時代で、何を選べばいいのかわからない。ビジネスの中に実装するために、エンジン以外に必要なもの(UI、システム連携、記憶する情報の作成、ユーザー情報の管理など)がある。エンジンベンダーはこの部分がカバーされていない。これらを連携していくしくみ、ブロックチェーンエンジン同士を連携していくしくみが必要とされている」と、ブロックチェーン・ハブを提供する背景を説明。

  • アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 テクノロジーアーキテクチャ グループ マネジング・ディレクター 山根圭輔氏

また、アクセンチュア 常務執行役員 金融サービス本部 統括本部長 中野将志氏は、「これまで情報を集中化し、それをコストかけて守っていたが、ブロックチェーンは誰かがもっていれば、利用でき、ITコストが低減できる。また、業務依頼の出し手と受け手が相互確認できる業務コストの低減、スピードアップできる。さらに、企業が同じ情報を共有しているため情報活用が可能だ。これまでプロックチェーンをいろんな人が活用うにできように開発してきたが、世のなかに出していける目処がついた。今後は、このようなメリットがあるブロックチェーンをこれらをビジネスの中でどう活用していくかだ。今回の製品は自信をもって提供できる」と語った。

  • アクセンチュア 常務執行役員 金融サービス本部 統括本部長 中野将志氏