米国時間の7月20日、Google、Microsoft、Facebook、Twitterが、サービス間で直接的なデータポータビリティを実現する取り組みを発表した。2017年に組織されたイニシアチブ「The Data Transfer Project (DTP)」を通じてプロジェクトを推進し、成果はオープンソースで公開する。

データポータビリティは、オンラインサービスなどを利用するユーザーが、別のサービスに移る時やサービスの利用を止める際に、個人に関するデータを持ち運べるようにすること。メール、写真やビデオ、ドキュメント、コンタクト、予定など、クラウドサービスで管理するデータが増えている一方で、ユーザーがデータを持ち運べないと特定のサービスにとどまったまま、ユーザーがサービスを選択できる自由が損なわれる。またユーザーにより良いサービスを提供するというサービス間の競争も減退する。

すでに、クラウドサービスからデータを書き出し、それを別のサービスで読み込むデータポータビリティは普及している。しかし、データをダウンロードして別のサービスにアップロードするのは手間のかかる作業であり、ユーザーがデータ形式に関する知識を備えておかなければならない。

4社の取り組みは、OAuthのような既存のオープンスタンダードの認可フレームワークを用いて、異なるサービスのAPIの間で、双方で利用できる標準的な形式のデータセットを直接的にやり取りできるようにする。対応するサービスであれば、ユーザーがデータをダウンロード/アップロードする必要がなくなる。DTPはサイトでホワイトペーパーを公開している。現時点でアダプターのプロトタイプは、Google、Microsoft、Twitter、Flickr、Instagram、Remember the Milk、SmugMugといったサービスの公開APIに対して、写真、メール、コントラクト、カレンダー、タスクのデータの転送をサポートする。

Facebookのユーザーデータ流出問題、そして今年5月に施行されたEU一般データ保護規則 (GDPR)をきっかけに、グローバルに事業を展開する企業において、個人情報の取り扱いの透明性、ユーザーによるコントロール、データポータビリティの改善が進められている。GoogleのBrian Willard氏とGreg Fair氏は「このような種類の機能性を全てのWebユーザーにもたらすために、産業全体に及ぶ企業と取り組めるのを楽しみにしている」と述べている。