パナソニックは7月20日、キャニスター掃除機に比肩する吸引力(最大吸込仕事率が約200W)を備えたコードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」を発表しました。重要なパーツを開発しなおし、本体の素材にもこだわった新モデルは、パナソニックの意気込みを感じる製品です。さて、どのような掃除機になったのでしょうか。

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」

    8月30日発売の「POWER CORDLESS」

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」

    さっそく実機を手に取る、マイナビニュース・デジタルの林編集長

「日本と欧米で暮らし方が異なり、室内のゴミも違います。当社は日本メーカーとして、日本の生活の変化に寄り添ってものづくりをしてきました」と、発表会の冒頭でパナソニックのアプライアンス社 ランドリー・クリーナー事業部 クリーナー事業統括、岡内理氏は述べました。

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」

    ランドリー・クリーナー事業部 クリーナー事業統括の岡内理氏

欧米の生活と日本の生活でわかりやすい違いは「土足」かどうかですが、実はそれ以外にも違いがあります。日本の家屋は、フローリング、じゅうたん、畳など、家の中で使われている床材がさまざま。また、隅や隙間が多く、ホコリや細かなゴミが溜まりやすいという特徴があります。同社では、こうした日本の生活に適した掃除機の開発を進めてきました。

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」

    家の中にはさまざまな床材があります

一方、掃除機というカテゴリーに注目すると、現在はコードレススティック掃除機の人気が上昇中。同社の調査では、コードレススティック掃除機を使っている人は、時間も掃除面積も増えており、コードレススティック掃除機をメインに使って家中を掃除したいというニーズが高まっています。

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」

    2015年と2017年を比較すると、コードレススティック掃除機の利用時間も、ユーザーが掃除する面積も増えています

必要なのは吸引力、長時間駆動、そして軽さ

コードレススティック掃除機で家中を掃除するために必要なことは、「吸引力」と「長い運転時間」です。

新製品「POWER CORDLESS」の最大吸込仕事率は約200W。これはキャニスターモデル並みの吸引力です。さらに、運転時間は自動モードで約18分~約40分、ロングモードなら最長約65分。これなら家中を掃除しても十分です。

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」
  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」
  • キャニスター式の掃除機で吸い込んで持ち上がった「重り」(写真左)、同社のコードレススティック掃除機「iT」では持ち上がりませんでした(写真右)

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」

    ところが、新モデルのPOWER CORDLESSでは、見事に持ち上がりました。iTと比べると、POWER CORDLESSの吸引力は約2倍です

このハイパワーと長い運転時間を実現するため、パナソニックはモーターと大容量リチウムイオン電池の開発に力を入れました。

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」

    製品の詳細を説明するのは、同社のコンシューマーマーケティングジャパン本部スモールアプライアンス商品部リビング商品課、小杉彩さんです

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」

    大型高速ファンを搭載したモーターを採用。回転数を抑えてモーターに負担をかけずにパワーアップしました。また、大口径のモーターを効率よく動かすために内部のマグネットをサイズアップしています

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」

    コードレススティック掃除機では最多となる、8本の大容量リチウムイオン電池を搭載しました。直列に配列してパワーを出しつつ、電池への負荷を抑えて電池寿命にも配慮しました

POWER CORDLESSは、大口径モーターと、8本の大容量リチウムイオン電池で、「吸引力」と「長い運転時間」を達成しました。しかし、これには問題も。

というのも、モーターが大きくなって電池の本数が増えると、本体が重くなるんです。サッと気軽に使えるところがコードレススティック掃除機の魅力なのに、本体が重くては魅力が損なわれてしまいます。そこで、POWER CORDLESS本体に新素材を採用し、この問題を解決。ハイパワーでありながら質量は2.5kg(本体、ノズル、ヘッド含む)を実現しました。

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」

    本体に使用した「セルロースファイバー樹脂」は軽量で、「鋼鉄の5倍の強度」を持つという新素材。さらに軽量化するため、本体内側を「蜂の巣」状のハニカム構造にして軽さと強度を両立しました

隙間も壁際もキレイに掃除できるノズル

POWER CORDLESSを実際に触ってみたのですが、細かい配慮がされているノズルに感心。また、約20μmのゴミまで検知する「クリーンセンサー」があるので、目に見えない細かいゴミもキレイに掃除ができるのも嬉しいところ。ゴミがあると赤、きれいな状態では青に点灯して知らせてくれるのでわかりやすく、視力が弱っている実家の父などにすすめたい機能です。

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」

    ヘッドを裏返すと、2種類の異なるブラシを搭載しているのがわかります。フローリング用のブラシ(緑)と、畳・じゅうたん用のブラシ(白)です。さまざまな床面をこれ1つで掃除できますね

【動画】音声が流れます。ご注意ください。
細かいゴミが目地に入り込みやすい畳の掃除もスッとキレイに

【動画】音声が流れます。ご注意ください。
絡みつきやすいじゅうたんのゴミもサッととれます

【動画】音声が流れます。ご注意ください。
綿ボコリやハウスダストが気になるフローリング。細かいゴミをすっきり

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」
  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」
  • 「クリーンセンサー」はゴミを検知している時は赤く、ゴミがない時は青く光ります

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」
  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」
  • ブラシの前面が開くので壁際までしっかりブラシが届きます

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」

    足を使って取り外す「子ノズル」は隙間掃除に便利

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」

    ベッドの下にも届きます

パワーがあって連続運転時間が長く、使い勝手にも配慮しているコードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」。発売は8月30日、価格はオープンですが、店頭予想価格はMC-SBU820Jが90,000円前後(税別)、MC-SBU620Jが75,000円前後(税別)です。

両者の違いは、MC-SBU820Jの本体色がホワイトで、ロングホースとスタンド式充電台を同梱すること。MC-SBU620Jの本体色はレッドで、ロングホースとスタンド式充電台は同梱されません。そのほかの付属品などは同じです。

パナソニックでは今後、POWER CORDLESSの体験会を量販店などで実施する予定なので、ぜひ実際に触って、吸引力を確かめてみてください。

  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」
  • パナソニック、コードレススティック掃除機「POWER CORDLESS」
  • コードレススティック掃除機を持つと、つい肘を曲げて短いストロークで動かしがちですが、実はこれ、疲れる使い方(写真左)。肘を伸ばして、腕や掃除機の重さを利用しながら動かすと楽に動かせますよ(写真右)