KELKは、7月18日~20日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている生産設備から社会インフラ、各種災害対策まで「メンテナンス」「レジリエンス」に関する最新の製品・技術・サービスが一堂に介する展示会「メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2018」において、電池レスで駆動可能なワイヤレスセンサモジュール「KSGD-SNシリーズ」の紹介を行なっている。

同センサモジュールは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発プロジェクトの成果を元に開発された熱電発電(Thermo Electric Generation:TEG)素子を活用したもので、温度差15℃で安定的に発電することができる。モジュールとしては、モノワイヤレス(東京コスモス電機のワイヤレス事業部門が2015年に分社独立した企業)製の2.4GHz IEEE802.15.4準拠の通信モジュールを搭載。親機のPCにモノワイヤレス製のUSBスティックタイプの送受信機「モノスティック」を接続することで、無線でのデータやりとりを可能とする。

  • 熱電エナジーハーベストデバイス「KSGD-SNシリーズ」
  • 熱電エナジーハーベストデバイス「KSGD-SNシリーズ」
  • KELKの熱電エナジーハーベストデバイス「KSGD-SNシリーズ」の外観と内部のモジュール。TEGと書かれている部分が熱電発電素子。microUSBのコネクタにセンサモジュールをつなぐことで、ニーズに応じたセンシングが可能となる。このほか、外部端子がなく、温度センサを内蔵したモデルがスターターキットとして提供されている

また、マルチホップ通信として、最大3点の中継が可能。これにより、送信距離を伸ばすことも可能となっており、異なる階層のフロア間での信号も受信しやすくなっている。

さらに、現状は温度センサモジュールのみが用意されているが、今回の展示会では振動センサモジュールも参考出展。このほかにも今後、さまざまなニーズに応じたセンサの開発が予定されているという。

なお、同社では外付けモジュールが付けられないタイプ(温度センサを内蔵)を評価用のスターターキットとして提供しており、2018年9月末までの期間限定ながら、約3万円ほどで購入することが可能なキャンペーンを行なっているとのことで、まずはこれを使って、自分たちの環境で、実際に安定して発電が可能なのかどうかの評価や、提供されるソフトウェアの使い方を学んでもらえれば、としている。

  • 熱電エナジーハーベストデバイス「KSGD-SNシリーズ」の実測データ

    実際に自社の工場に活用した際のデータ(2018年6月の1か月間)。温度の変化が生じても、設置側温度(赤線)と放熱側温度(青線)は一定の差で動き、発電が行なわれていることがわかる

お詫び:記事初出時、取得データのグラフを説明するキャプションにおきまして、「発電が雨の時などを除いて行われている」と記載させていただいておりましたが、正しくは環境条件に関わらず雨の日でも発電しており、グラフが途切れているのは土日の運用停止状態となりますので、キャプションの文章を訂正させていただきました。ご迷惑をおかけした読者の皆様ならびに関係各位には深くお詫び申し上げます。