いよいよ今週末にも、インターステラテクノロジズ(IST)の観測ロケット「MOMO2号機」の打ち上げが実施される。マイナビニュースでは、初号機に引き続き、今回も現地取材を行うので、現地レポートをお待ちいただきたい。まず本稿では、MOMO2号機の概要と、打ち上げに向けた情報についてお伝えしておこう。

  • 4月27日14時時点の帯広

    4月27日14時時点の帯広。気持ちの良い快晴

MOMO2号機について、詳しくは2月に掲載したレポート記事を参照して欲しいが、今回の注目点は、宇宙への最大の"壁"となる「Max Q」(動圧最大点)を越えられるかどうかだ。Max Qは、機体への空力負荷が最も大きくなるところ。9カ月前に実施した1回目の挑戦では、Max Qである高度10km付近で通信が途絶しており、目標としていた高度100kmには届かなかった。

もし今回、無事に高度100kmに到達できれば、日本の民間開発のロケットとして、初の宇宙空間への到達となる。日本の宇宙ベンチャー、宇宙ビジネスにとって、これは大きなマイルストーンになるだろう。初号機は、エンジンそのものは全く問題なかっただけに、2号機での成功が期待されるところだ。

MOMO2号機の全長は約10m。サイズは初号機とほぼ同じだが、内部的に大きく変わったのがロール制御の方式。初号機の方式では、外乱によるロール回転を抑えきれなかったため、2号機ではガスジェネレータを新開発し、ロール制御の能力を強化した。ロールせずに上昇できるかも注目したい。

2号機の打ち上げは、今のところ、4月28日の11:00~12:30で予定されている。もし何らかの理由で打ち上げられないときは、以下のような順番のウィンドウで打ち上げを試みる。この5つのウィンドウすべてで延期となっても、今回は4月30日以降の打ち上げが可能となっており、その場合はウィンドウを改めて告知するとしている。

  1. 4月28日 11:00~12:30
  2. 4月28日 16:00~17:30
  3. 4月29日 5:00~8:00
  4. 4月29日 11:00~12:30
  5. 4月29日 16:00~17:30

ロケットの打ち上げで気になる天候であるが、28日の予報は晴れ。初号機のときは霧による視界不良に悩まされたが、今回その心配はあまり無さそうだ(と思いたい)。

  • MOMO初号機の打ち上げの瞬間

    初号機の打ち上げの瞬間はまさかの白さ。これほど何も見えない打ち上げは筆者も初めてだった

なお、天候に関する打ち上げ制約条件は以下の通り。これは初号機のときから変わっていない。

  • 風速:平均地上風速5m/s以下であること
  • 視程:視程600m以上であること
  • 降雨量:降雨量8mm/h以下であること
  • 落雷:半径10km以内に落雷がないこと
  • 高層風:天気図等から設計荷重を超えないこと

プレスブリーフィングは特に開催されないため、準備状況に関する情報はないが、関係者のTwitterへの書き込みを見ると、何日も前にリハーサルを行っていたりして、初号機のときよりも順調であることが伺える。前回は、天候、機体トラブル、船舶の侵入など、さまざまな要因で延期が重なったが、今回はずばっと打ち上がることを期待したい。

  • 射点に立つMOMO2号機

    射点に立つMOMO2号機 (提供:インターステラテクノロジズ)