オムロンは、AI、ロボティクス、IoTの研究拠点となる新会社「オムロン サイニックエックス(OSX)」を、東京都文京区本郷に設立し、4月26日より本格始動したことを発表した。

  • 新会社「オムロン サイニックエックス」を設立

    新会社「オムロン サイニックエックス」を設立

今回始動した新会社は、オムロンの考える「近未来デザイン」を創出する戦略拠点として位置づけられており、「AI」「ロボティクス」「IoT」「センシング」などの領域における最先端技術のトップ人財を研究員として採用したという。研究員は、FA(ファクトリーオートメーション)、ヘルスケア、モビリティ、エネルギーマネジメントの4ドメインを中心に、各領域の社会的課題を解決するために、技術革新をベースに「ビジネスモデル」「技術戦略」「知財戦略」を統合し、具体的な事業アーキテクチャーに落とし込んだ"近未来デザイン"を創り出すという。さらに、大学や社外研究機関との共同研究により、オープンイノベーションによる"近未来デザイン"の創出を加速していくということだ。

オムロンは創業以来、社会の変化を先読みした技術開発、事業創出で社会に自動化を導入することで社会の発展に貢献してきた。近年、「AI」「IoT」「ロボティクス」に代表される技術が急速に進化するなか、同社がこれまで以上に技術開発、事業創出を通じて社会の発展に貢献するために、2015年にCTOを設置した。以降、技術革新をベースに近未来を具体的にデザインし、その実現に必要な戦略をバックキャストで明確に描き実行する「技術経営」の強化に注力していくとしている。

その一環として、2018年3月に「イノベーション推進本部」を設立した。同組織は、オムロン全社のイノベーション創出力向上のためのプラットフォームと位置付けられ、"近未来デザイン"から戦略策定、事業検証までを担い、これを支える組織として、「エッジ型AI開発センター(東京・品川)」、「ロボティクス開発センター(米国・西海岸)」を設立した。既存の「京阪奈イノベーションセンタ」をはじめとする研究開発拠点や各事業拠点が連携 、"近未来デザイン"から戦略策定、事業検証、技術開発、商品開発までを同社全体で実行していくことで、イノベーション創出力の向上を推進していくということだ。

また、新会社「オムロン サイニックエックス」のミッションは、技術革新や社会変革を背景とした未来像を構想し、事業・技術・知財などの視点で俯瞰、革新的な顧客価値の仮説を社会実装できるレベルで構想する「近未来デザイン」の実行、および近未来デザインの実現に必要な技術革新の動向をいち早く捉え、新たなコア技術を創出することだとししている。

なお、同社での研究を軸に、2020年度をゴールとするオムロングループの中期経営計画「VG2.0」で掲げる、売上高1兆円、営業利益1000億円の達成をはじめ、2020年以降の成長をけん引する技術、新規事業創出の加速を目指すという。従業員数は12人、設立は2018年2月1日登記(同年4月26日本格始動)。資本金1.3億円(資本金 6,500万円、資本準備金 6,500万円)。