ツインバード工業は4月19日、コードレススティック型クリーナーの新製品「TC-E261S」を発表しました。5月7日に発売します。推定市場価格は税込3万円台前半。19日に発表会があり、実機に触れた感想をお届けします。

  • コードレススティック型クリーナーの新製品「TC-E261S」

    TC-E261S。コードレススティッククリーナーはサイクロン式が主流ですが、"あえて"紙パック式を採用しています

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    写真一番左が、発表会に登壇したツインバード工業代表取締役社長の野水重明氏

"掃除する日"が消えた

TC-E261Sは、紙パック式のスティック型コードレスクリーナー。スティック型で紙パックというのは珍しいですが、ツインバード工業はゴミ捨て時にホコリが舞わないメンテナンスのしやすさと、軽量化のためにあえて紙パック式を選んだそうです。製品コンセプトは「"掃除する日"が消えた」。

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    一瞬だけ思考が停止してしまいました(編集・瀬尾)

おそらく会場にいた全員が筆者と同じように頭に「?????????????」を浮かべた様子。会場がわずかにどよめきました。ツインバード工業の製品開発担当者は、「ユーザーがほしいのは掃除機ではない。きれいな部屋、落ち着いた時間、掃除したての整った気持ち。これらがユーザーにとってのベネフィットであり、ユーザーが欲するものなのです」と熱く語ります。

「"掃除する日"が消えた」とは、「掃除している、と思わないくらい、日常の中で自然に掃除機を使ってほしい」という意味。TC-E261Sは掃除機本体でなく、掃除することできれいになった部屋、心地よい気分といった掃除体験を提供するのです。「ああ、今日は掃除しなくちゃな」というちょっとイヤな思いをしないように、「気づいたらTC-E261Sを使いこまめに掃除をしていて、いつも部屋がきれいだ」という状態を作り出します。

リビングに当たり前のようにTC-E261Sが置いてあり、男性も女性も、大人も子どもも、床に髪の毛やホコリが落ちているのを見かけたら、自然とTC-E261Sに手が伸びる、そんな製品を目指したそう。がっつり家中を掃除をするというよりは、ゴミを見つけるたび、こまめに掃除をするという用途に向いていそうですね。少し値は張りますが、広いリビング専用の掃除機として購入するのもありかな、と思いました。

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    立てかけた様子。これならリビングの隅においても景観を損なうことはなさそう

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    写真の土台は市販のもの

リビングに置いて当たり前のように使ってもらえるよう、C-E261Sは掃除のしやすさ、使い勝手のよさを追求した製品となっています。紙パック式にすることで、サイクロン式では必須のモーターやダストボックスが不要となり、1.5kgという軽さを実現しました。手に持ってもずっしり感はありません。これなら女性や子どもでも動かしやすいでしょう。

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    かるいかるーい!!

紙パック式だからこそ

紙パック式のよいところは、掃除をするたびにゴミ捨てをする必要がないこと、そしてゴミ捨て時に吸ったホコリが舞わないという点です。汚れやホコリが気になるところに掃除機をかけて、終わったら元の場所に戻すだけなので、「掃除をしている」という意識も薄れます。

紙パックはTC-E261S専用に作られており、ゴミ捨ての目安は1カ月に一度。パッケージには専用の紙パックが12枚付属するため、買い替えは2年目以降で済みますよ。紙パックは12枚入りで1,200円(税別)となっています。

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    軽くボタンを押すだけで紙パックを取り出せます

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    紙パックを横から見た様子

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    紙パックの交換目安は1カ月に一度です

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ヘッドがぬるぬる動く

ヘッドにもこだわりました。掃除機で机やイスの下を掃除するとき、ヘッドが思うように動かず机やイスの脚にガンガンぶつけてしまい、言うことを聞いてくれないヘッドに怒りを感じたことはないでしょうか。

TC-E261Sのヘッドの底部には、360度動くボール型のキャスターが付いています。そのためヘッドは左右合わせて180度にスイングしたり、横スライドしたりと縦横無尽に動きます。フルフラットにするのもカンタンです。ちなみにこのボール型キャスターは特許を出願しているとのこと。

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    TC-E261Sのヘッド(表)

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    TC-E261Sのヘッド(裏)。下についているボールのおかげで、ヘッドが左右にすいすい動きます

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    パワーブラシが搭載されています

いざ使ってみると、おお、ヘッドが軽い軽い。ためしにイスの脚周りを掃除してみると、脚に吸い付くようにくるっと掃除できました。これなら机やイスの脚周りにホコリを見つけたとき、やるぞ、と気張ることなく掃除ができそうです。ヘッドにはパワーブラシが付いており、カーペットのゴミもしっかりと絡めとります。

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    ヘッドがTC-E261Sのパイプと平行になり、狭いところにも入り込みます

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    もちろんフルフラットも可能

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    イスの脚周りをくるっとリズムよく掃除できました

ヘッドとポールを取り外すだけでハンディクリーナーとなります。パッケージには隙間ノズルも付属。家をがっつり掃除したい、というときは隙間ノズルも活用して、ベッドの下や窓枠など細かなところまで清掃できそうです。

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    ハンディークリーナーとしても使用可能です

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    ヘッドとパイプを外した様子

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    ハンディモードはソファやベッドを掃除するのに便利。ちなみに強モードでは、手元のLEDライトが紫色に光ります

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    通常モードではLEDライトが緑色に

使用可能時間は通常モードで30分、強モードで7分間。充電は、付属するケーブルのマグネットアダプターをTC-E261Sの取っ手部分にパチッと貼り付けるだけでラクチンです。

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    マグネットアダプターをTC-E261Sの取っ手部分にパチッと貼り付けるだけで充電できます

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シルバーだからこそ実現したお洒落な佇まい

当たり前のようにリビングに置いてある、ということはデザインもリビングになじむものでないといけません。TC-E261Sは使わないときの「佇まい」にもこだわりました。

昨今、スティック型の掃除機は淡いパステルカラーを採用することが多い中、TC-E261Sはあえてシルバーというシンプルな色を選びました。パステルカラーが多いのは、スティック型掃除機のメインユーザーが女性だからで、使って楽しくなるような色合いを考えるとパステルカラーになるそう。でも、パステルカラーは家のリビングにはあまりなじまないですよね。TC-E261Sのシルバーはお洒落な雰囲気をまとっており、テレビの隣やカーペットの端っこなどに置いておいても主張しすぎることはなさそうです。

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    製品の世界観は独特で、リビングや部屋のインテリアとしてもおけるようなデザインとなっています

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    壁などに穴をあける必要がありますが、写真のように充電台も設置可能です

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TC-E261Sは、テレビ東京の「カンブリア宮殿」で2017年に、開発風景が紹介されて話題となった製品です。音楽CDよりも音楽ライブが人気、「モノよりコトがビジネスになる」なんていわれて久しいですが、このTC-E261Sが提供するのはまさにモノよりコト。部屋を手軽に掃除することで「心地よさ」や「きれいな空間」といった体験を提供する、新たな掃除機といえるのではないでしょうか。

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    カンブリア宮殿の放送後、コールセンターの電話がなりやまなかったとか