俳優の長谷川博己が、2020年放送の大河ドラマ第59作『麒麟がくる』で主演を務め、戦国武将・明智光秀を演じることが19日、発表された。オリジナルの脚本は、第29作『太平記』を手掛けたことで知られる池端俊策氏が担当。2019年6月からクランクイン予定となっている。

NHKで行われた制作会見には多くのマスコミが詰めかけた。長谷川は猛烈なフラッシュを浴びながら笑顔を見せ、「これはすごいことなんだ」と大役を実感。今年5月からはNHK連続テレビ小説『まんぷく』(18年10月1日~19年3月30日)の撮影を控えていることから、大河の出演には多少の迷いもあったという。

冒頭のあいさつ、記者との一問一答からは、長谷川の冷静な一面と共に役者としての高揚感もにじみ出ている。

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    明智光秀役を演じる長谷川博己

朝ドラ『まんぷく』後の大河「難しいかな」

■会見冒頭のあいさつ

感動しています。ちょっとまだ実感が湧かなかったんですが、こうやって色々な人に写真を撮られて、「すごいことを受けたんだ」と実感しています。この話をいただいたのは、朝ドラの発表後でした。

2020年ということだったので、いわゆる"連動"という形になる。来年の朝ドラ撮影が終わった後すぐぐらいに大河の撮影に入るということだったので、「これは難しいかな」と一瞬立ち止まったんですが、やはり『夏目漱石の妻』(NHK・16)の時に池端先生とご一緒させていただきまして、すごく楽しかったですし、役者としてすごく良い経験ができたので「また池端先生の作品に出たい」とずっと思っておりました。

題材が明智光秀という謎めいたミステリアスな人物です。この仕事を決める前、池端先生とお話をさせてもらった時、池端先生の明智光秀像がすごく鮮烈に伝わってきて、「これはやらなければならない」という気持ちになりました。

本当に長旅になりますが、これを乗り越えた後に人が見れないような景色を見れるんじゃないかと思いまして、しっかりやりたいと思っております。明智光秀は「三日天下」ですが、僕はこれをやり遂げた後に一年ぐらい天下がほしいなと思っております(笑)。

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    長谷川は脚本・池端俊策氏(左)と固い握手を交わす

「明智光秀=反逆者」イメージだった

■記者との一問一答

――2020年の大河ドラマ。明智光秀と戦国時代を海外の人にどのように伝えたいと思いますか?

まだ朝ドラの撮影にも入ってないものですから、まだ考えていないんですが(笑)。明智光秀という存在は、「もしかしたら今の日本にも必要な人材なんじゃないか」と思えるような感じに演じていけたらいいなと思っています。

――「俳優・長谷川博己」にとっての大河ドラマとは?

やっぱり、大河の主演は俳優にとっては確実に1つの目標だと思います。それをオファーされた時、最初は実感湧かなかったんですが、みなさんにフラッシュをたかれて「これはすごいことなんだ」と実感しています。これからそういうものがじわりじわりと生まれて来るとは思うんですが……とにかく、「大河の主演らしく」というのも変ですが、やり遂げたいと思っています。

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    朝ドラ初出演となる『まんぷく』ではヒロイン・安藤サクラの夫役

――『麒麟がくる』というタイトルの印象は?

昔の麒麟のイメージは……僕らが知っている麒麟といものはいなかった。それが「くる」というのは、何か……そうですね、難しいな。やはり何かが起きる前触れというか。すごくミステリアスなものがこれからやってくる、何かが起きる前兆という感じでしょうか。

――明智光秀に抱いていたイメージは?

あまりここでお話しできないこともたくさんありますが……池端先生からお話をうかがう前、僕のイメージでは「反逆者」という感じでした。ですが、知的な存在であるというのは分かっていましたし、本能寺の変の後に死んだとされていますけど、僕の中ではその後も生きていたんじゃないかと。天界でしたっけ? そういう話もあるじゃないですか。そういう話も夢があっていいなという気はします。

――『麒麟がくる』の明智光秀との共通点と相違点は?

難しいですね(笑)。今はまだちょっと……非常に難しいです。池端先生がお会いした時にお話しされてたことで……まぁ、これは言わない方がいいな(笑)。これを言っちゃうとネタバレになるかもしれないので(笑)、ちょっと控えたいです。今のところ僕が思う共通点はないかもしれないですね。これからリサーチしていきたいですし、いろいろ調べたいなと思っています。先ほども申し上げた通り、次は朝ドラをやらないといけないので(笑)。そっちの方で今は頭がいっぱいで。申し訳ないです、すみません(笑)。

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    カメラマンからのリクエスト「明智光秀の顔でお願いします」に戸惑っていた長谷川