凸版印刷は、IDEMIA(アイデミア)が開発した、クレジットカード本体に搭載した指紋認証機能で決済時にPINコードの入力が不要となるICカード「F-CODE(エフコード)」の日本国内での製造・販売において、2018年4月中旬より本格的に協業を開始すると発表した。

  • 「F-CODE」が実証実験用カードとして採用された「JCB Biometrics Card」(C) JCB Co., Ltd.

    「F-CODE」が実証実験用カードとして採用された「JCB Biometrics Card」(C) JCB Co., Ltd.

「F-CODE」は、ICカードの券面に指紋センサーを搭載し、個人認証をカード上で行える高セキュリティICカード。同カードは、表面に搭載されている指紋センサーを用いることで、クレジットカードの店頭利用時に必要なPINコード入力を指紋認証に置き換えることができるため、決済処理のスピードアップが図れるという。また、PIN番号の管理が不要なため、セキュリティ性の高い安全な決済環境を実現できるほか、指紋データはカード内にのみ登録・保存されており、利用時の指紋認証もカード内で完結するため、指紋データの漏えいなどのリスクを回避できる。さらに、指紋センサーはカードに搭載されているので、店頭で新たな認証端末を導入する必要がないということだ。

凸版印刷は、金融分野や交通分野、公共分野などに対し、幅広く採用実績をもつカードベンダー。ICチップのOSやアプリケーション開発、カード製造・発行までの技術を保有しており、トータルで対応することができるという。同社は2016年9月から、IDEMIAの全身であるオベルチュール・テクノロジーズと次世代決済カード事業での協業を開始しており、今回「F-CODE」の日本での展開を実現させたことにより、セキュリティ性を大きく向上させたクレジットカードならびにその仕組みの提供が可能になったとしている。

なお、同製品は販売開始に先駆け、2018年4月からジェーシービーが「JCB Biometrics Card」としておもに社員向けに発行し、実際の店舗で決済を行い利便性や実用性を検証する実証実験に採用されている。今後、凸版印刷は「F-CODE」を全国のクレジットカード会社に向けて拡販し、導入サポートや発行機、保守サービスなどの機能を拡充していくということだ。