大分交通と大分航空ターミナル、ヤマト運輸は4月18日より、初の観光支援型「客貨混載」を開始する。大分空港から空港リムジンバスが手荷物をヤマト運輸大分ベースへ運ぶことで、別府市内全域と大分市中心地(大分駅周辺)の宿泊施設へ手荷物を当日中に届け、インバウンドを含む観光客の早い時間からの身軽な手ぶら観光を実現させる。

  • 大分交通と大分航空ターミナルとヤマト運輸の協業で、初の観光支援型「客貨混載」を開始

大分県別府市は、日本有数の温泉地として日本人のみならず海外からの観光客の人気も高く、多くの人でにぎわう観光地となっている。しかし、コインロッカーの不足等により、観光客は手荷物を持ったまま観光するケースが多いため、身動きがとりづらいという課題や、大半の観光施設は閉館時間が17時であり、一度宿泊先に荷物を預けると観光時間が短くなってしまうため、満喫しきれないという課題があった。また、隣接する大分市は2019年にラグビーワールドカップの開催を控え、観光客のスムーズな受け入れ態勢が求められている。

このたび3社は課題解決のため、全国で初めての観光支援型「客貨混載」を開始し、別府市内全域と大分市中心地の宿泊施設への手ぶら配送を開始した。手ぶら観光の推進で、観光客の満足度向上と地域の更なる活性化に取り組む。

流れとしてはまず、大分航空ターミナルのスタッフが大分空港の荷受カウンターで10時までに手荷物を預かり、大分交通が大分市内行きの空港リムジンバスのトランクへ手荷物を格納して大分市内へ向かう。空港リムジンバスは各バス停を経由した後、ヤマト運輸大分ベースまで手荷物を運ぶ。大分交通の運行状況は「バスロケエアライナー」システムでリアルタイムにヤマト運輸大分ベースが把握する。ヤマト運輸が大分ベースで仕分けをし、別府市全域と大分市中心地の宿泊施設に当日中(別府市17時まで、大分市18時まで)に届ける。

  • 初の観光支援型「客貨混載」の流れ

    初の観光支援型「客貨混載」の流れ

ヤマト運輸は、地域との連携による地域活性化を推進し、路線バスによる「客貨混載」に全国各地で取り組んでいる。大分県においては、別府市にて2月より市や地元企業とともに手ぶら観光サービスに取り組み、3つの窓口で別府市全域の宿泊施設(一部を除く)向けに手ぶら配送を行っている。大分交通は、空港リムジンバスの増便やバス車内へWi-Fiを設置するなど、急増する訪日外国人の受入体制整備を進めている。

この3社が協業することで、平時の観光支援とともに大分市での2019年ラグビーワールドカップ開催も視野に入れ、手ぶらでラグビーを観戦できる環境を整える。今後も3社で連携し、荷受け時間や対象地域の拡大などを視野に入れ、サービスの拡充や地域活性化に取り組んでいくとしている。

また、大分航空ターミナルは増加する訪日外国人に対応するため、2018年度、国際線ターミナルビルの増改築を行う。荷受カウンター隣りには観光案内所を常設し、多言語に対応したサービスを提供できるスタッフを配置する。