産休前、職場に挨拶が必要だと分かっていても、具体的にどうすればよいのか分からない女性は多いのではないでしょうか。今回は、産休の挨拶を誰に・いつ頃・どうやってするのかについて、例文も交えてご紹介します。

  • 産休の挨拶の仕方

    産休の挨拶、適切な手順や方法は?

産休に入る前にしておきたいこと

産休前にしておきたいことは、引継ぎや産休までのスケジュールの共有など「自分以外の方に迷惑をかけないためにすること」、産後の手続きや有給休暇取得可能日数の確認など「自分のためすること」の2つに分けられます。

まずはいつから産休に入るのか、出産予定日がいつでその後いつ復帰をする予定をしているのか、スケジュールを上司と相談し共有しましょう。できれば上司が管理しやすいように、ワードやエクセルなどで資料としてまとめておくといいですね。

次に、引き継ぎ準備のために仕事のリストアップをしておきましょう。

後任の有無もすぐに分かるとは限りませんし、産休前に悪阻や急な体調不良により出勤ができなくなるケースもありますので、引継ぎ準備は早めに取り掛かることをお勧めします。

仕事のリストアップができたら、誰に引き継ぐのか、どのタイミングで引き継ぐのか、上司と相談して進められるといいですね。

最後に産後の手続き、残りの有給休暇の日数や、育休取得時に有給休暇が付与されるのかどうかなどの確認をしておきましょう。

有給休暇は、妊婦健診や体調不良に備えて残りの日数を確認しておくと安心です。産後は子育てで忙しくなるので、どのような手続きをどこに申請する必要があるのか、今のうちに「TO DO リスト」を作っておきましょう。

産休や育休は法律によって守られた制度ではありますが、出産というプライベートな理由でお休みをいただくということに変わりはありません。現場の人手が減り他の方に負担がかかるケースもあります。謙虚な姿勢を心がけることで、復帰後も職場と良好な関係を築くことに繋がります。

産休に入る際の挨拶は誰にする?

挨拶はコミュニケーションの第1歩。職場の人間関係は、出産後に復帰してからも続きます。産休に入る前に、きちんと必要なことを伝え、挨拶をしておくことで、良い印象を残しておきたいものです。

誰に向けて行うかは、以下のように分けて対応すると良いでしょう。

・直属の上司
・社内の方(同じ部署の同僚、後輩。業務で関わりのある他部署の方)
・社外の方(取引先や顧客)

いつ、どのような方法で挨拶するといい?

挨拶をするタイミングや方法については、必ずしも決まったやり方があるわけではありません。会社ごとの方針や雰囲気があると思いますので、必要に応じて対応しましょう。

もし同じ会社で産休を取った方がいれば、その方のお話やメールを参考にするといいですね。以下では、一つの例として産休前の挨拶の流れをお伝えします。

まずは上司に口頭で妊娠報告をしましょう

妊娠が分かった段階で、まずは直属の上司に口頭で報告しましょう。胎児の心拍が確認できる妊娠10週目から、安定期に入る妊娠16週目あたりが目安と言えます。産休に入る時期や今後の業務について相談することで、スムーズにお休みに入りやすくなります。

他の方から上司の耳に話が入ってしまうことのないよう、報告の順番には気をつけましょう。

社内向けの挨拶は産休に入る1カ月前までに

社内に向けての挨拶は、産休に入る1カ月前までを目安に行うといいでしょう。口頭で行うか、メールで行うか悩むかもしれませんが、上司や同僚には口頭で、他部署にはメールでなど、職場の環境に合わせて対応しましょう。その後、特にお世話になった方には改めてご挨拶ができるといいですね。

社外も同様に、1カ月前の挨拶を

社外に向けての挨拶も、同じく1カ月前を目安に行いましょう。もし直接お会いする機会が多かった取引先などであれば、まずアポイントを取るメールで簡単に状況を伝え、できれば後任者も連れて挨拶に伺います。

仕事の状況や体調によって外出が難しい場合は、遅くとも1週間前までにはメールで挨拶をし、産休前に問い合わせが来ても、しっかりと対応できるようにしておきましょう。

  • 職場の環境に合わせてメールもうまく活用して

ポイントはココ! メールでの挨拶例文

いざ挨拶メールを書こうとすると、「何をどのように伝えればいいの?」と手が止まってしまうことも。退職するわけではありませんので、あまりおおげさな内容にならないように注意したいですね。

お休みに入る1カ月ほど前に挨拶メールを送る場合の文例を、社内外それぞれの場合でご紹介します。

社内向けメール

お疲れ様です。○○部署の○○です。

私事で恐縮ですが、○月○日より産休に入らせていただくこととなりました。
最終出社日は○月○日を予定しております。
休暇中の業務につきましては、○○さんに引き継いでいただきます。

在職中は大変お世話になり、ありがとうございました。
不在になってしまう期間は、皆様にご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません。

復帰は、○年○月頃を予定しております。
その際はまた、一緒に働けることを楽しみにしております。

メールで伝えたいポイントは以下の4つです。
・感謝とお詫びの気持ち
・最終出社日がいつなのか
・後任者が誰なのか
・復帰の意思があること
これらの内容を文面に入れられるといいですね。

社内の方に向けて復帰したい気持ちをお伝えするためには、感謝の気持ちと自分が職場を離れた後のことも考えていることが分かる文章になるよう、工夫してみましょう。

社外向けメール

伝えたい内容は社内向けメールとほぼ同じですが、一部アレンジした方がいいポイントがあります。そこに注目して見てみましょう。

大変お世話になっております。○○会社の○○です。

私事で大変恐縮ではございますが、○月○日より、出産のため長期休暇をいただくこととなりました。
最終出社日は○月○日を予定しております。

なお、休暇中の業務につきましては、○○が担当いたしますので、○月○日以降は○○へご連絡いただけますと幸いです。
(後任者の名前・連絡先を記載)

在職中は大変お世話になり、ありがとうございました。
不在期間中は、貴社にご迷惑をおかけすることのないよう十分に配慮いたしますので、今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

復帰いたしました際には、またご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
本来であれば直接お伺いしてご挨拶を申し上げるべきところ、メールにてご挨拶に代えさせていただく失礼をお許しください。

休暇中は大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
末筆ながら、皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。

社外向けのメールでのポイントは以下の通りです。
・後任者の詳細(名前・メールアドレス・電話番号)を記載すること
・保育園の入園状況などで復帰時期が変わる可能性があるため、復帰予定日は書かない

口頭で行う場合のメッセージ例文

<朝礼の場合>

おはようございます。朝の貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。

<会議や夕刻の場合>

お疲れ様です。貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。

以下は同じ

私事で恐縮ですが、○月○日より産休に入らせていただくこととなりました。
最終出社日は○月○日を予定しております。
休暇中の業務につきましては、○○さんに引き継いでいただきます。
(◯◯さんがその場にいらっしゃれば会釈をしながら)
復帰は、○年○月頃を予定しておりますが
保育園の入園状況によっては延長させていただく場合もございます。
産休まであと◯カ月ありますので最後まで貢献できるように努めます。
皆様にはご負担をおかけすることもあるかと存じますがどうぞよろしくお願い申し上げます。

最終出社日の挨拶まわりで配るもの・予算

上記の手順で挨拶を済ませた上で、最終出社日には特にお世話になった上司や同僚に対して、口頭で挨拶をしましょう。その際にちょっとした品物を配りながら行うと、より気持ちが伝わります。

産休は、復帰することが前提。配るものは相手に気を使わせない程度のお菓子などがおすすめです。人数が多い場合には、全員に行き渡る数の入ったお菓子の詰め合わせを用意することになると思います。賞味期限が長く、袋に小分けされたものを選びましょう。

予算については、無理のない範囲で全員に行き渡るような金額でいいでしょう。

ポイントを押さえ、無理のない挨拶の準備を

私自身、会社員時代に2回、産休を取っています。一人目の妊娠が分かったときには、早い段階で上司、同じ課の同僚に先に報告し、正式な挨拶は安定期に入ってから朝礼にて口頭で行いました。幸いにも体調を崩すことがなかったため、最終日も余裕を持って挨拶をし終えることができました。

ですが、2回目の産休取得時には、安定期を過ぎた頃、突然1カ月ほど切迫早産で出勤できなかったことに加え、短時間勤務であったため、産休直前は引き継ぎ業務や申請手続きなどで精一杯でした。そのため、職場全員に挨拶まわりをする時間を取ることはできませんでした。

このように、産休前は何が起こるかわかりませんので、状況に合わせて柔軟に対応していきましょう。例えば職場で直接挨拶が出来なくても、メールを活用したり、休憩室や食堂のお茶菓子と合わせて手紙を添えたり、工夫をすることで気持ちは伝えられます。

身体に負担をかけすぎることなく、社内の慣習に合わせ、ポイントを押さえた挨拶の準備ができると安心ですね。

※写真と本文は関係ありません