IDC Japanは4月17日、コンシューマー向けスマートホームデバイス市場に関する市場予測を発表した。これによると、2017年、全世界のスマートホームデバイスの出荷台数は、前年比27.6%増の4億3310万台だった。IDCでは今後の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)を18.5%と予測しており、2022年には出荷台数が9億3970万台に達する見通しだという。

予測期間中、スマートホーム市場で最も成長率が高いのは、引き続きAmazon EchoやGoogle Homeなどのデバイスを含むスマートスピーカーのカテゴリーで、一方、その他のカテゴリーも、ビデオエンターテインメント製品を除いて、2桁のCAGRになると予測している。

  • スマートホームデバイス カテゴリー別支出額 (2017年および2022年) - (単位: 100万米ドル)

    スマートホームデバイス カテゴリー別支出額 (2017年および2022年) - (単位: 100万米ドル)

カテゴリー別にみていくと、スマートテレビ、デジタルメディアアダプターなど、IP接続ビデオデバイスを含むビデオエンターテインメントデバイスは、2017年~2022年の間、出荷台数ベースで8.3%のCAGRが予測されている。2017年、テレビのカテゴリーをリードしたのはSamsungとLG。一方、デジタルメディアアダプターではAmazon、Google、Rokuの順で上位を占めた。

ホームモニタリング/セキュリティは、コネクテッドなドア錠、カメラ、湿度センサー、ドアベルなどのデバイスで構成されるカテゴリーで、2022年までの間、出荷台数ベースで2番目に大きいのは、引き続きこのカテゴリーであるとIDCは予測している。このような製品を住宅に備え付けるのが容易になり、「DIY指向」でない消費者でも、スマートアシスタントなどのデバイスに簡単に統合できるようになると見込まれている。

スマートアシスタントを組み込んだスマートスピーカーは最近、Appleなどの有力ブランドが新規参入した結果、注目の的となっていることに加え、AmazonやGoogleが第一弾のスピーカーから教訓を得て、新モデルや新価格帯で迅速に対応するとともに、他の多くのブランドと提携し、AlexaまたはGoogle Assistant対応のスピーカーを投入している。このカテゴリーに関連する収益全体の中で、ハードウェアの売上が占める割合は最も小さいため、パートナーがどれくらい長期にわたって生き残るかは、まだ定かではないという。

Philips、GE、IKEAなどによるコネクテッド照明器具は、急速な低価格化に加え、エントリーレベルのスマートホームソリューションとしてスマートスピーカーとバンドルされることで、照明器具のカテゴリーは非常に将来有望であり、IDCの予測では、このカテゴリーは2022年末までに35億ドル以上の規模に達する見通しだ。

NestやEcobeeなどが提供している温度調節器は、世界全体における2022年までの出荷台数ベースのCAGRが20.8%と予測されている。成長率は高いものの、このカテゴリーは規模が一番小さいとIDCでは予測しており、大部分の家庭で温度調節器は1台しか使わないことに加え、世界のほとんどの地域では単独の温度調節器は使わず、代わりにエアコンや暖房器具に組み込まれていることが、その理由に挙げられている。

コネクテッド家電、スプリンクラーシステム、その他の小型デバイスを含むその他のスマートホーム製品については、2017年~2022年の出荷台数ベースのCAGRが18.2%と予測。従来の家電製品など、アナログの同等製品の多くは、買い替えサイクルが長く、今後のスマートホームにおける訴求力が全体的に乏しいと見られている。