JR北海道は12日、花咲線(根室本線釧路~根室間)において「普通列車を観光列車にする取り組み」を開始すると発表した。沿線地域と同社の協働で生まれたアイデアをもとに、定期普通列車で沿線の魅力が楽しめるようにさまざまな工夫を凝らす。

  • 厚岸~糸魚沢の別寒辺牛湿原

  • 別当賀~落石間の落石海岸

ラムサール条約湿地の別寒辺牛湿原がある厚岸~糸魚沢間、落石海岸沿いの別当賀~落石間では、景色を楽しんでもらうために一部列車の速度を時速30km程度に落とし、ゆっくりと走行する。

また、日本最東端の駅である東根室駅では、停車時間を通常より約2~3分延ばし、記念撮影できる時間を設ける。対象となる列車は、釧路駅8時18分発の下り根室行1本と、根室駅8時22分発の上り釧路行1本の1日2本。6月1日から11月30日まで実施する。

  • 日本最東端の駅である東根室駅(写真はすべてJR北海道提供)

沿線の見どころをGPSアプリによる音声ガイドで紹介する取り組みも6月1日からスタート。無料アプリ「SkyDesk Media Trek」をあらかじめスマートフォンなどにダウンロードしておくと、実施区間にさしかかった際にGPSで位置を認識し、見どころの概要を日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語で自動的に案内する。

列車内でご当地弁当を楽しんでもらう取組みも6月1日から始まる。ご当地弁当を製造販売する業者に事前予約しておくと、根室駅・東根室駅・厚岸駅のホーム上で弁当を受け取れる。購入できる弁当は、根室駅と東根室駅はタイエーの「焼きさんま寿司」「やきとり弁当」、厚岸駅は氏家待合所の「かきめし」。いずれも対象の列車が限定されているため、利用の際は事前確認が必要となる。

その他、花咲線で使用しているキハ54形に沿線の見どころをラッピングし、秋頃から運行する予定だという。