NTTドコモが、マンホール型のスモールセル基地局を発表しました。「電波は、ビルの上や鉄塔などの高いところから降ってくる」という固定観念をくつがえす、地面の下から電波を発するタイプです。ドコモでは、2018年度内の本格運用を目指しています。

  • NTTドコモではトラヒック対策のため、人の集まる場所に設置するマンホール型のスモールセル基地局を開発しました。ドコモによれば、国内初とのことです

ビルの屋上は、もう無理……

スモールセル基地局の目的は、過密エリアにおけるトラヒックの分散にあります。ドコモではこれまで様々な電波対策を打ってきましたが、「都内のビルの屋上には、もうこれ以上は基地局を建てられない箇所も増えてきた」(担当者)とのこと。そこで、国内でも珍しいマンホール型のスモールセル基地局の開発に至りました。

  • スモールセル基地局の利用イメージ。過密エリアでトラヒックの分散を行います

ドコモでは既存のマンホールは使わず、新しく地面に穴を掘っていくことを考えています。直径70cm・深さ70cmのスペースがあれば設置できるとのことで、高所にアンテナを設置する場合と比較して、メンテナンスの面で楽になるメリットも考えられます。電波の届く範囲は(既存のスモールセル基地局とほぼ同等の)半径90m。また、電波の届く高さは未計測としながらも、マンホールの隣にあるビルの3階までは充分に電波が届くことを確認しています。

  • 直径70cm・深さ70cmのスペースがあれば設置可能

電波を通しやすい材質、でも耐荷重は25t

マンホールの材質は電波を通しやすい厚さ約5cmのFRP製で、自重は約27kgとそれなりにあり、4箇所のネジで固定します。緊急車両などが上に乗っても耐えられる、マンホールとしては一番厳しい条件の耐荷重25tに対応しました。レンガ、アスファルトなど周囲の景観を損ねないデザインの蓋を用意できるのも特徴になっています。

  • 蓋は厚さ約5cmのFRP製で、自重は約27kg、耐荷重は25t。レンガ、アスファルトなど周囲の景観を損ねないデザインを用意できるのも特徴です

具体的には、どんな箇所に設置していく考えなのでしょうか。担当者によれば、想定している展開エリアは人口が過密する都心エリア。これには山手線の駅なども含みます。また、公園やテーマパークなど人の集まるところ、観光地や景勝地など周囲の景観に配慮した(言ってみれば鉄塔など基地局の設置に積極的でない)エリアにも展開を考えています。トラヒックの負荷軽減のため、あくまでスポット的に使っていきたいとのことです。

  • 観光地や景勝地、公園や広場、スタジアムや競技場、テーマパークや遊園地などへの設置を想定しています