2018年6月発売予定「Figure-riseLABO ホシノ・フミナ」(5,940円/税込)

バンダイは、キャラクタープラモデルの新ブランドとして「Figure-rise LABO」を発表した。ガンプラなどで培った技術の粋を集めた新技術「レイヤードインジェクション」で、プラモデルでは表現が難しかった瞳などの再現に挑んできた「Figure-riseBust」をさらに進め、今回は第一弾として肌の質感表現に挑戦した「Figure-riseLABO ホシノ・フミナ」を2018年6月に発売する。

「Figure-riseLABO」は、バンダイが持つプラモデルの成形技術を発展させ、これまでのフィギュアやプラモデルでは実現できなかった表現を研究し、実現に向けて進化させていくプロジェクト。「Figure-riseLABO ホシノ・フミナ」は、フィギュアでは熟練の技術による彩色で表現されていた肌の持つ赤みや透明感、陰影の美しいグラデーションを、成形色の厚みによる透け具合を生かしたパーツの多層構造にすることで実現した。

新ブランド発表会に登場したプロモデラーのMAX渡辺氏によると、通常フィギュアでは柔らかいPVC素材によって肌などの表面を表現し、内部には剛性の高いスチロールやABSを使うことで立体物としてのバランスを取っているが、「Figure-riseLABO ホシノ・フミナ」ではその内側に入れる素材の色も表現のための要素として用いている点が革新的なのだという。さらに、ランナーから取り外されたパーツの軸の部分には一番外側の色を付けることで、隙間から見えても違和感がないよう配慮されているなど、細かい点へのこだわりも感じられた。多層構造は細部である瞳にも採用されており、その細やかさにはMAX渡辺氏も感心していた。

「Figure-riseLABO ホシノ・フミナ」は、『ガンダムビルドファイターズトライ』劇中のプールでの「ホシノ・フミナ」が再現されており、身につけた水着の表現もポイントに。この水着には、「RG 1/144 シナンジュ」などに採用されていたグロスインジェクションという技術を使うことでツヤ感が表現されている。これは、プラモデルの金型表面を鏡面磨きするという高い技術によるもの。また、プラモデルは、成形によって作られるためフィギュアと異なり"全部同じものができる"点が大きな特徴。個体差がない点も、今後はフィギュアに対する長所となりそうだ。

これだけの技術を詰め込まれたプラモデルだけに、販売価格も気になるところだが、「Figure-riseLABO ホシノ・フミナ」は同サイズのフィギュアと比較すると破格ともいえる5,940円(税込)で発売。「Figure-riseBust」シリーズは2,000円を切るコストパフォーマンスのよさで高い人気を得ていたが、「Figure-riseLABO ホシノ・フミナ」も、普段はプラモデル・フィギュアに触れない層でも手に取りやすい価格帯でリリースされる。

一方で、「Figure-riseLABO」は技術者の中でもエース級の力を結集して製作されるため、商品を次々投入できるシリーズではなく、セールスの主力としての位置づけではないという。しかしこの企画自体が未来を見据えた挑戦であり、「Figure-riseLABO」で培われた技術は将来的に「ガンプラ」などへの技術の応用が見込まれるなど、プラモデル全体のレベルの底上げにつながるものとして、今後も目が離せないプロジェクトになりそうだ。

「Figure-riseLABO ホシノ・フミナ」(5,940円/税込)は、2018年6月発売予定。

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