アークノハラは、自動運転車両を安全に受け入れられ、利用者も住民も安心できる街づくりを行うため、自動運転車両と標識や視線誘導標など道路付帯物との間で行われる通信(以下、路車間通信)の基礎開発とその有効性を確認するための共同研究契約を、群馬大学と締結したと発表した。

  • 路車間通信のイメージ

    路車間通信のイメージ

共同研究では、「路車間通信方式の調査・開発、通信内容の検討」、「種類・設置位置・大きさ、車両速度など複数パラメータの路車間通信の検証」、「通信内容をどのように車両の制御に利用するかの検討・調査」、「実証実験」が行われる。また、同研究内容を2019年3月末までに完了することが予定されている。

群馬大学では、2016年10月から群馬県桐生市内で自動車の自動運転の公道実証実験を開始したことを皮切りに、同年12月に「次世代モビリティ社会実装研究センター」を設置し、群馬県前橋市や桐生市などの自治体、関連企業と連携しながら、完全自動運転車両をはじめとする次世代モビリティシステムの社会実装に向けた研究に積極的に取り組んでいる。同大学は、今回の契約により、路車間協調型の自動運転の研究開発をさらに進め、地域限定・路線限定の完全自動運転を可能とするインフラ高度化の研究に取り組むという。

一方、アークノハラは、「安心・安全な街づくり」をキーワードに、道路行政や交通行政と連携し、道路標識や視線誘導標などの開発・製造・販売・設置までを一貫して行い、近年ではICT技術を利用した歩行者用無線標識の開発なども行っている。完全自動運転の実現には、自動運転車両だけに全ての責任や技術を求めるのではなく、道路環境を含む街そのものが完全自動運転車を受け入れ可能にするインフラ整備が必要となる。そのためのひとつの方法として、有効・有益な路車間通信の確立が求められている。

群馬大学とアークノハラは、各種関係機関とも連携しながら、路車間通信技術の方法の確立とその有効性確認を共同で研究していくということだ。