幼児期から大人になるまで、制服を着ている期間が長い日本。そんな日本では、「周りと同じ物を着る」という概念が社会に出てからも続く傾向がある。そこで今回は、日本の会社員のファッションをどう思っているのか、日本で働く外国人20名に聞いてみた。

Q.日本の会社員のファッションについてどう思いますか? またあなたの国のファッションとの違いがあれば教えてください。

■スーツ姿がカッコいい

  • 「きちんとスーツ姿の人が多くてカッコイイです。母国では、暑いので、シャツにズボンを着る人が多いです」(カンボジア・20代前半・男性)
  • 「日本の社員みたいにスーツを着るのはとても良いイメージがすると思います。母国には、カジュアルな服を着る社員の方が多いです」(スペイン・30代前半・男性)
  • 「スーツ姿はかっこいい。基本的には一緒かな」(ハンガリー・30代後半・女性)
  • 「ビシっとしています。母国ですとそこまでスーツ率が高くないです」(中国・20代前半・女性)

■スーツに関するその他の意見

  • 「日本の会社員はスーツ姿で統一されることが多く、軍隊のようで、組織、忠順、階層に基づく考え方だと感じます。人の中身や能力よりも見た目を重視する傾向を強調します。母国では一般の会社では服装は自由です」(ドイツ・30代前半・男性)
  • 「サラリーマンは絶対スーツですね。みんな同じように見えてきます。イタリアではもうちょっとフリーで行けます。マネージャーレベルだったらスーツを着ますが、それ以下普通にジーンズで通勤できます。楽でいいです!」(イタリア・20代前半・女性)
  • 「いつもネクタイをしていて暑そう。インドの女性はサリーなど色鮮やかな服を着る人が多い」(インド・30代前半・男性)
  • 「日本には職場でブラックスーツはOKということが驚いた。海外では普通のカラーはグレーかブルー」(ロシア・20代前半・男性)
  • 「女性のファションは違う。女性スーツが少ない」(ポーランド・30代前半・男性)
  • 「特に何も思いません。タイは暑いのでスーツ姿の会社員はあまりいません」(タイ・40代前半・男性)

■制服がある

  • 「会社や施設(郵便局、コンビニなど)によってデザインが違って、カラフルですごく良いと思います。シリアの方はカジュアルな格好(フリー)が多いです」(シリア・30代後半・男性)
  • 「日本は制服があって一体感があると思う。マレーシアはカジュアルが好き」(マレーシア・40代前半・男性)

■おしゃれ

  • 「清潔で綺麗です。元気満々なところも印象深いです。香港のほうがもっとバリエーションがあって、個性を出している気がします」(香港・20代後半・男性)
  • 「日本の人はおしゃれですね。休みの日でもすごくおしゃれです。私の故郷は休みの日におしゃれした場合は、『今日何かあるの?』と延々聞かれます」(アメリカ・30代前半・女性)
  • 「日本の会社員のファッションは素敵だと思います。エジプトは、イスラム教の教えを守るべきなので、女性は目立った服を着てはいけない。外では着飾ってはいけない。教えを守るか守らないかは人それぞれですが、目立たないようにおしゃれな服を着る女性が多いです。男性の場合は、大体スーツです」(エジプト・30代前半・女性)

■その他

  • 「普通だと思います。母国の会社員のファッションは、女性の場合ほとんどストッキングは履かないです」(パラグアイ・50代・女性)
  • 「いいと思います。ペルーの女性会社員は体のラインがはっきりわかります」(ペルー・40代前半・女性)
  • 「日本の方がバラエティが多くて羨ましいと思いました。フィリピンにはシンプルなデザインなものが多いです。ファッションは私服を着るときに意識するものと思います」(フィリピン・30代後半・女性)
  • 「母国よりフォーマルですが、それは良くない事じゃないです。ひげに関してのルールはあまり理解できません」(オーストラリア・30代後半・女性)
  • 「母国の会社員は大半、自由な服装で通勤しています」(スペイン・40代前半・女性)

総評

日本の会社員のファッションについて聞いたところ、スーツ姿に対する感想が多く寄せられた。男性のスーツ姿に「カッコいい」「ビシッとしている」といった声が挙がった一方で、サラリーマンの多くがスーツ姿であることに対し、「軍隊のよう」「みんな同じように見える」という声も。さらに、郵便局やコンビニなど、職業ごとに制服があるのが珍しいのか、「制服があるのが良い」という意見も寄せられ、良くも悪くも、働く日本人のファッションは「統一感」という印象を強く与えているように感じた。

母国のファッションについては、日本と比べると「もっと自由」で「カジュアル」という国が多かった。暑い国を中心に「シャツにズボン」「ジーンズ」「ネクタイはしない」「ストッキングは履かない」とのこと。また、欧米でもスーツ率はさほど高くないようで、特に、日本の"スーツを着ている女性の多さ"に触れる人も目立った。

各国の女性のファッションに注目すると、フィリピンではシンプルなデザインが多く、アメリカでは、オシャレをしていると「今日何かあるの?」としつこく聞かれるとのこと。また、エジプトでは、イスラム教の教えからオシャレはなるべく目立たないようにするのが鉄則だという。そんな国の女性たちからは、日本女性のファッションは「素敵」「休日もすごくオシャレ」と羨む声が挙がっていた。

それぞれのお国柄がファッションに表れているように感じた今回のアンケート。日本の場合は、少々「お堅い」印象といったところだろうか。日本企業はもっと、ファッションのグローバル化にも目を向けてもいいのかもしれない。