エレクトロラックスが3月2日に発売するロボット掃除機「PUREi9(ピュア・アイ・ナイン)」。実は2001年に同社が発売した「トリロバイト」以来のロボット掃除機です。17年ぶりに"満を持して"お披露目されたPUREi9をお借りして、その実力をチェックしてみました。

  • スウェーデンの家電メーカー、エレクトロラックスから17年ぶりに発表されたロボット掃除機「PUREi9」。3月2日発売予定で、市場想定売価は13万円前後(税別)です

PUREi9の実力を検証する前に、まずは基本情報から。大まかな形状は、パナソニックのロボット掃除機「RULO」と同じように三角形を基本としていますが、三隅をそれぞれ裁ち落した独自のデザイン。野球のホームベースのような形です。

外形寸法は、幅32.5cm×奥行28cm×高さ8.5cmと、高さに関しては現在のロボット掃除機市場において圧倒的に薄型。幅・奥行は同じ三角形のRULOよりも小さく、高さに関してはコンパクトさを訴求した日立アプライアンスのロボット掃除機「minimaru」(高さ9.2cm)よりも小さいことになります。外観デザインに関しては、ブロンズを基調としたメタリックながらもマットな質感で、高級感があります。

  • 本体天面。マットなメタリック素材のブロンズカラーを基調にブラックの帯がアクセントになったデザイン。帯の部分の上側は液晶タッチパネルで、操作部と表示部を兼ねています

  • 本体裏側。進行方向の片側の角にサイドブラシを1つ備え、吸引部は前方ギリギリの場所に設けられています。床面側にセンサーを備えていないことから、サイドブラシがセンサーに覆いかぶさる恐れがなく、本体端側ギリギリのところにブラシを取り付けられるのもメリット

バッテリーはリチウムイオン電池を採用。充電時間は約3時間で、運転時間は通常モードで約40分、ECOモードで約60分の仕様です。ECOモードは吸引力を弱めることで、バッテリーの延命と静音化を図ります。

通常の掃除モードでは運転開始後、壁に沿って移動してから、部屋の中央に向けて動きます。広い部屋の場合には、部屋を最大約2m四方に分割し、ブロックごとにこの動作を繰り返して清掃範囲を広げていきます。これ以外に掃除モードとして"スポットクリーニング"も用意しました。周辺約1平方メートルの範囲を重点的に2回掃除するモードです。

操作は本体上部のパネルから。液晶タッチパネル方式で、スタート/停止ボタンのほかにモード選択ボタンと、充電台に戻すためのホームボタンのシンプルな構成。パネルには操作時だけボタンが表示されるため、未使用時はスッキリとしていて、デザイン性を損ねないのが好印象です。また、無線LANでスマホと接続することで、スマホアプリによる遠隔操作にも対応しています。

  • 操作部はスリープ時には表示されませんが、タッチをするとボタンやインジケーターが出現。稼動していない時にはボタン類が現れず、デザイン性を損ねないません

スマホアプリは、本体のタッチパネルと同じ操作をリモートで行う機能に加えて、掃除する時間を決めるスケジュール設定などができます。現状、他社のロボット掃除機で採用されているような、清掃履歴やマップ表示などの機能は搭載されていません。エレクトロラックスによると、2018年春にもアプリのバージョンアップを予定しており、これらの機能に対応する見通しとのことです。

  • 無線LANに接続すると利用できるスマホアプリ、イラストの真ん中部分をタップすると、メニューが呼び出せます

  • スマホから遠隔操作できます

ロボット掃除機のテクノロジーとしては、掃除しながら地図を作成し自分の位置を認識しながら自走する"SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)"機能を搭載。さらに、本体前方の左右2カ所に赤外線レーザーの発光部、前方中央にはレーザーを受信するカメラを搭載。

物体に当たって跳ね返ったレーザー光を3D画像として解析する「3D Visionテクノロジー」により、進行方向にある障害物と部屋のレイアウトをリアルタイムで同時に認識できる点が特長です。他社のロボット掃除機は、赤外線センサーと天井部にあるカメラでそれぞれ別のものを検知する仕組みが主流である中、人間の目で見るような感覚で物体をとらえられるという利点があります。

  • 左右両側はレーザー発光部。障害物に当たって跳ね返ったレーザーを真ん中のカメラが受信し、障害物と部屋の間取りをリアルタイムで解析します