ルネサス エレクトロニクスは19日、家電製品やビル用および産業用オートメーションの機器などの開発に対して、ユーザが着手しやすくなるよう設計された、32ビットマイコンRXファミリのRX65N、RX130、RX231グループ用のRXターゲットボードを発表した。

  • ルネサスのRX65N、RX130、RX231グループ用RXターゲットボード

    ルネサスのRX65N、RX130、RX231グループ用RXターゲットボード

このRXターゲットボードによって、組み込み設計者は、試作品を評価し製品開発を開始する際に、初期投資を抑えて着手できる。各ボードにはキットとしてオンチップ・デバッガ・ツールが搭載され、追加のツールを購入することなくアプリケーションソフトウェアの設計が可能となっている。

また、すべての信号端子にアクセス可能なスルーホール・ピン・ヘッダを備え、ユーザは容易に標準のブレッドボードに相互接続し、素早く試作品を開発できる。

RX65Nグループは、強化されたRX CPUコア・アーキテクチャと120MHzの動作を組み合わせ、4.34CoreMark/MHzの処理性能を実現。RX65Nには、産業用IoTのエンドポイントで動作する産業用制御システムと、ネットワーク制御システム向けに必要になるセキュリティ機能強化のためのTrusted Secure IPが搭載されているほか、プロテクション機能付加により信頼性を高めたフラッシュ機能も搭載されている。

また、TFTコントローラが組み込まれ、2Dグラフィック・アクセラレータが統合されており、IIoTエンドポイント機器やシステム制御アプリケーションの設計に含まれる、TFTディスプレイやHMI機能に適した拡張機能も装備されている。さらに、RX65Nには、Ethernet、USB、CAN、SDホスト/スレーブ・インタフェース、およびQuad SPIなどの組み込み通信処理機能が搭載されている。

RX130 グループは32MHzで動作し、フラッシュメモリのサイズは最大512KB、パッケージのサイズは最大100ピンであり、より高い性能を実現するタッチキー用のRX231/RX230グループと互換性がある。超低消費電力かつ低コストにより、3Vまたは5Vのシステム制御と低消費電力を必要とするタッチキー・アプリケーションに最適となっている。新しい静電容量式タッチIPは、高い感度と高いノイズ耐性を兼ね備えており、キッチン、浴室、工場の床などの水に濡れた環境や汚染された環境でも使用可能となっている。

また、RX231グループは54MHzで動作し、32ビットRXv2CPUコアが搭載されるとともにDSP/FPUが強化されおり、性能と低消費電力のベストミックスで、抜群の電力効率を実現するとしている。高性能なデジタル・フィルタリング、浮動小数点演算、およびその他の処理を、弱電流しか供給できない環境でも実行できるほか、通信セキュリティ機能と暗号化機能が搭載され、静電容量式タッチセンサ機能が装備されている。同機能は高い感度と高いノイズ耐性を兼ね備え、さらにSDホスト・インタフェース、USB、およびCAN通信機能も備えている。

なお、新製品は、ルネサスの世界中の販売代理店で2月19日より発売を開始し、販売価格は30米ドル/個(税別)前後を予定している。