認可保育園に落ちた……その現実を受け入れるのに時間がかかっているママ・パパも多くいるかもしれません。保活のプロとして多くの親御さんを応援してきた山下真実さんからメッセージをいただきました。

  • 認可保育園に落ちた……現実とどう向き合う?(画像はイメージ)

入園可否はあなたへの評価ではない

早いところでは1月の終わり頃から認可保育園の入園可否のお知らせが届きはじめ、2月に入ってからは、全国的に結果発表ラッシュとなっています。SNS上では今年もやはり「保育園落ちた」と行き場のない気持ちによる投稿があふれました。

ここ数年は保活をアドバイスする側としてこの時期を見守っていますが、認可保育園に入れなかったママたちの中には「社会から否定された気持ちがした」「自分は働かなくてもいいと言われている気がした」と、自分を否定してダメージを受けている方も多いように思います。

ただでさえ忙しい育児の合間をぬって保育園を見学したり、役所を何度も訪れたりして、やっとの思いで申込書を提出したかも知れません。

はたまた、子どもを預けて復職することに不安を抱きながらも、その気持ちと一生懸命に向き合いながら保活を進めてきたのかも知れません。

そんな苦労が「入園」という結末に至らなかった時、自分のそれまでの頑張りが否定されたように感じてしまうのだと思います。しかし、入園可否はあなたへの評価ではありません。認可保育園に入れなかったとしても、自分を責める必要は全くありません。

"認可外に預ける自分はダメ母"と思ってしまう理由

もう一つ、別のアングルで悩んでしまうケースとして、「認可外保育園に預けて復帰しようとするなんて、自分はダメ母なんじゃないか」と自分を否定してしまうママも少なくありません。

その背景の一つとして、預けようとしている認可外保育園にママ自身が抵抗を感じている場合があります。「見学した時に衛生面で気になるところがあった」など、ママ自身がその保育園をちゃんと信頼できていないと、そこに預けるという選択に後ろめたさが出てきてしまうでしょう。

これは認可外保育園だけでなく、認可保育園に入園が決まったママの中にも同じように悩む人がいます。原因は同じで、認可保育園ではあるけれど希望順位の低い園に決まった場合などに起こりやすいケースです。

これについては、預ける前にきちんと不安を払拭しておかなければいけません。衛生面で気になる点があったのであれば、園から詳しく話を聞いたり、必要ならば改善策を講じてもらったりすることで、不安のない状態で入園を迎えましょう。

保育園に入りづらい状況下で、自由に保育園を選べないからといって、不安を感じながら子どもを預けることには反対です。わが子のため、そして安心して復職するためにも、ここはしっかりコミュニケーションを取っていきましょう。

"認可外より認可が優れている"は必ずしも正しくない

他にも、認可外保育園に預けちゃダメかもと悩んでしまう要因として、認可外保育園よりも認可保育園の方が優れているという固定観念にとらわれてしまっている場合もあるでしょう。

しかし実際には、認可保育園にはない設備や特色を持つ認可外保育園がたくさんありますし、特に近年はあえて認可申請しない園も増えてきています。

例えばモンテッソーリ教育などを取入れた特色のある保育を実践するために、認可外保育園として運営することを選択し、設備も環境も認可保育園に劣らないかそれ以上に備わっている園もあり、実際に保育園選びを真剣に考える親御さんたちの間で人気が高まっています。

認可外保育園かどうか以前に、自分がどう感じて選択したのかによって納得感が違ってくるでしょう。認可・認可外といった枠組みにとらわれずに、自分自身がその保育園をどう思っているかを大切にすべきなのではないでしょうか。

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著者プロフィール

ここるく 代表取締役 山下真実
「わが子を大切するために、ママが自分自身を大切にできる子育てスタイル」を提案し、人気のレストランが託児付きで楽しめるサービス「ここるく」を運営する起業家。
投資銀行や金融系コンサルなど金融業界でのキャリアを経て、初めての子育て中に「今まで当たり前だった事が、産後は一気にできなくなるんだ!」と感じたことがきっかけとなり、現代に合った子育て支援を実現するため、2013年にここるくを設立。同サービス運営を通じて得られる働くママ達のリアルな視点とコンサル経験を活かして、企業に対する育休復帰支援・働き方改革コンサルティングを行う。二児の母。