第72回毎日映画コンクールのオープニングセレモニーと授賞式が15日、神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホールで行われ、各賞を受賞した菅田将暉、長澤まさみ、役所広司、田中麗奈、高杉真宙、伊東蒼、大林宣彦監督らが登場した。

  • 毎日映画コンクール

    左から高杉真宙、役所広司、長澤まさみ、水野久美、菅田将暉、田中麗奈、伊東蒼

今年で72回目を迎える同賞は、毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社などが主催している映画賞。1935年に創設された「全日本映画コンクール」を前進に、第2次世界大戦を経て1946年に現在の「毎日映画コンクール」がスタートした。以降、時代の変化とともに選考方法や賞の区分を変えながら、作品、俳優、映画スタッフ、アニメーション、ドキュメンタリーなど幅広い分野において顕彰を続けている。

授賞式の前には映画ファンが見守る中、オープニングセレモニーが行われ、各賞を受賞した俳優陣やスタッフらが登壇して報道陣向けの写真撮影。一際目立ったのが、『幼な子われらに生まれ』で女優助演賞に輝いた田中麗奈で、「今日のためにオートプチュールを作らせていただきました」というセクシーなドレスの胸元から谷間をチラ見せして、男性の視線を釘付けにした。

授賞式で受賞のコメントを求められた田中は「このような素晴らしい賞をいただけて本当に嬉しいです。選考委員の皆様、映画を観てくださった皆様、関係者の皆様にお礼を申し上げたいと思います。主演の旦那様である浅野忠信様に感謝と愛を送らせていただきます」と感激しきりで、「カメラが回ってないところでも皆と話し合ったり作り上げてそのまま本番だったシーンもあります。やっぱりチームに恵まれたということに尽きると思いますね」と『幼な子われらに生まれ』の製作スタッフとキャスト陣に改めて感謝した。

オープニングセレモニーには登場しなかったものの、授賞式に登壇した役所広司は、『三度目の殺人』の出演で助演男優賞を受賞。同映画賞は、1995年に公開された『KAMIKAZE TAXI』以来となる受賞で「初めてもらった映画の賞が、毎日映画コンクールでした。それ以来、この賞に恥じないように映画の仕事を中心に20数年頑張ってきました。そして今回、是枝裕和監督と出会い、『三度目の殺人』でこの賞をいただくことができました。本当についている男だと思っています」と笑顔を見せていた。 なお、各賞の受賞者は、以下の通り。

■受賞一覧

<作品部門>
日本映画大賞:『花筐/HANAGATAMI』大林宣彦監督
日本映画優秀賞:『あゝ、荒野』岸善幸監督
外国映画ベストワン賞:『わたしは、ダニエル・ブレイク』ケン・ローチ監督

<監督賞・脚本賞>
監督賞:富田克也『バンコクナイツ』
脚本賞:石井裕也『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』

<俳優部門>
男優主演賞:菅田将暉『あゝ、荒野』
女優主演賞:長澤まさみ『散歩する侵略者』
男優助演賞:役所広司『三度目の殺人』
女優助演賞:田中麗奈『幼な子われらに生まれ』
スポニチグランプリ新人賞:高杉真宙『散歩する侵略者』
スポニチグランプリ新人賞:伊東蒼『島々清しゃ』
田中絹代賞:水野久美

<スタッフ部門>
撮影賞:鎌苅洋一『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
美術賞:竹内公一『花筐/HANAGATAMI』
音楽賞:Soi48(宇都木景一、高木紳介)・Young-Gほか『バンコクナイツ』
録音賞:加藤大和、高須賀健吾『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』

<ドキュメンタリー部門>
ドキュメンタリー映画賞:『三里塚のイカロス』代島治彦監督

<アニメーション部門>
アニメーション映画賞:『こんぷれっくす×コンプレックス』ふくだみゆき監督
大藤信郎賞:『夜明け告げるルーのうた』湯浅政明監督

<TSUTAYA×Filmarks映画ファン賞>
日本映画部門:『忍びの国』中村義洋監督
外国映画部門:『ラ・ラ・ランド』デイミアン・チャゼル監督

<特別賞>
佐藤忠男(映画評論家)