グラフィックが美しくなるほど、データ量は増える

『モンスターハンター:ワールド』や『ドラゴンクエストXI』、『ファイナルファンタジーXV』や『メタルギアソリッドV』などを見ればわかるように、PlayStation4(以下、PS4)は美しいグラフィックのゲームが遊べるゲーム機です。

ですが、グラフィックが美しくなるほどにロードするデータの量は増えるため、最近のゲームはPS4で一度にロードできるデータ量の限界までロードするゲームが増えています。これでグラフィックは美しくなりますが、ロード時間が長くなるという弊害が生じています。

PS4のゲームはBlu-rayディスクの中に入っているデータのうち、頻繁に読み込むデータを内蔵HDD(ハードディスク)へコピーし、普段はHDDからデータを読み込んでいます。ハードウェアの知識がある人は、このHDDをSSD(ソリッドステートドライブ)に換装した人もいるようです。

内蔵HDDをSSDへ換装するとどうなる?

SSDとはHDDと同型ケースの中に、USBフラッシュメモリと同じ半導体素子メモリをたくさん入れたもの。HDDと較べて高額ですが、読み込み速度は約2倍です。ただし、この2倍の速度を生かすには、少々気を付けなくてはいけないことがあります。

PS4には初期型と薄型のPS4スリム、そして上位機種のPS4 Proという3機種があります。このうち、初期型と薄型の内蔵HDDはSATA II、ProのみSATA IIIというケーブルで接続されています。SATA IIの転送速度は3.0Gb/秒で、SATA IIIは6.0Gb/秒と、2倍違うのです。このため、ProであればHDDをSSDに換装すれば速度の向上が見込めますが、初期型と薄型PS4では内蔵HDDをSSDに換装しても、SSDのスピードを生かすことができません。

ですが、この状況は2017年2月にリリースされた、PS4システムソフトウェア4.5で変わりました。なんと、USB端子でつなげた外付けドライブにもゲームソフトをインストールできるようになったのです。

しかもPS4シリーズはすべて、USB端子の転送速度は5Gb/秒。つまり、内蔵HDD端子に比べて1.67倍速いのです。もうおわかりですね? 初期型と薄型PS4の場合、SSDのドライブはUSBを使って外付けドライブとして接続した方が、大幅な速度向上が見込めるのです。
※PS4 Proのみ、内蔵ドライブ端子にSSDを取り付けた方が、さらに早い

ロード時間はどのくらい早くなるの?

では、具体的にゲームソフトを使ってロード時間を調べてみましょう。今回の検証では、あるロード時間が長いタイトルを使って、セーブデータを選んでから操作可能になるまでの時間を計測してみました。

  • セーブデータの選択から、操作可能になるまでのタイムを計測(単位:秒、著者調べ)

まずPS4 Pro標準HDDのタイムに注目すると、薄型PS4標準HDDに較べて1.47倍早くロードが終わります。これは、内蔵HDDを接続している端子のスピード差が大きく影響しています。

次に見て頂きたいのは、薄型PS4の外付けSSD/SSHDのタイムです。驚くべきことに、Proの標準HDDよりも早くロードが終わります。薄型の標準HDDとの速度差は、1.93倍。約2倍の時間短縮になるというわけ。なお、SSHDでもほとんど変わらないタイムが出ています。