レコメンドにAIの力を。一人ひとりに最適を提供する「aigent recommender」－第1回販促ワールド春より

2018年1月24日から26日の3日間、幕張メッセにて開催されたプロモーションやマーケティングの総合展「第1回販促ワールド春」においても、いま三度注目を浴びているという“AI”を利活用したソリューションが数多く見受けられた。今回ピックアップするシルバーエッグ・テクノロジーのSaaS型レコメンドエンジン「aigent recommender（アイジェント・レコメンダー）」は、ユーザーの閲覧・行動をリアルタイムで分析し一人ひとりの嗜好に合った情報を瞬時に提案してくれるというソリューションだ。

大阪に本社を構えるシルバーエッグ・テクノロジーのブースより。「SaaS型レコメンドエンジンの売上高調査（2017年、株式会社東京商工リサーチ調べ）」において第一位を獲得するなどこの分野に名を馳せる企業のひとつだ

「aigent recommender」は、Webサイトに来訪した顧客が「どのようなモノを、どの順番で見てきたのか、購入してきたのか」といった、過去の閲覧・行動の“経路”を分析（パス・ディペンデンシー）することでユーザーの嗜好をより高い精度で理解、レコメンドしてくれるというもの。その分析過程では、レコメンド業界の雄として培ってきたノウハウに加え、ベイジアン(Bayesian)協調フィルタリングや強化学習、カーネル法のAI技術が用いられているという。

ユーザー動線分析（パス・ディペンデンシー）のイメージがこちら。来訪したユーザーがどのような商品を見てきたのか、購入してきたのか、その行動を分析。ユーザーが欲しているモノを、AI等を駆使して高い精度で類推しスッと提案してくれる

既に国内でECサイトを運営する多くの企業で導入実績があり、最近では他業界においてもレコメンドエンジンのニーズは高まっているのだという。“人々が探し求めているものを発見しやすくする”というレコメンドという“おもてなし”は、商品の購買だけではなく、例えば「自分に合った転職先は？」といった自発的な検索行動の補助や、数多ある記事コンテンツのなかから「このユーザーはこういった情報を求めているのでは？」とより興味を惹くであろう情報を提供することによって顧客満足度や利便性の向上にも繋がるからだ。

写真は「aigent recommender」が導入された一例としてシルバーエッグ・テクノロジーブースで紹介されていた家具・インテリアの総合通販 LOWYA（ロウヤ）のECサイト。ユーザーが直前まで「赤」を基調としたアイテムを閲覧していれば「赤」が用いられたアイテムを紹介してくるほか、そのアイテムが何であったのかも踏まえオススメしてきてくれた

ブースでは「aigent recommender」に加え、メールマガジンにおいてレコメンドサービスが行える「aigent recogazo（アイジェント・レコガゾウ。以下、レコガゾウ）」も紹介されていた。この「レコガゾウ」は、例えば会員制ECサイトの運営者が顧客に対してメールマガジンを発行する際に、先に紹介した「aigent recommender」と同じようにユーザーの行動履歴を分析し「どんな商品に興味があるのか」を踏まえメールマガジン上で顧客一人ひとりに最適化されたレコメンドを行えるというものだ。

また「レコガゾウ」の使い方もシンプルで、メールに決められたタグを設置するだけと非常にお手軽で魅力的。タグを設置したメルマガを顧客が開封、その開封結果を取得し「レコガゾウ」側が開封タイミングでその顧客に最適なアイテムをレコメンドするため、「なんだ、“いいな！”と思った商品売り切れているじゃないか」のような、機会損失や顧客満足度の低下に繋がるような事態が発生しないというのはECサイト運営者にとっては魅力的に映るのではないだろうか。

こちらが「レコガゾウ」の機能イメージ図。レコメンドするアイテムを事前に決め込む必要がないため運用負荷低減にも繋がるうえに、メール開封後お客さまが実際に購入できるもののみを自動でピックアップされるため、コンバージョンやページビュー向上にも寄与する

シルバーエッグ・テクノロジーのソリューションは、ECサイトのみならず多方面でその威力が発揮されることだろう。数多ある情報のなかからお客さまが望むモノをさりげなく、スッと提供することができる「aigent recommender」や「レコガゾウ」は、今後サービス提供者にとっても重要な視点となるかもしれない。