ディー・エヌ・エー(DeNA)およびDeNAライフサイエンスは1月10日、塩野義製薬および旭化成ファーマが所有する化合物情報(構造式および特性情報)を用いて、3社によるAI創薬の実現可能性を検証する共同研究を開始すると発表した。また、DeNAライフサイエンスは住商ファーマインターナショナルと、AI創薬事業のグローバル展開について検討を開始するという。

製薬企業では、創薬プロセスの生産性向上が強く望まれており、AI技術に大きな期待が寄せられている。現在、低分子化合物の創薬プロセスの初期段階では、IT技術を利用しつつ経験と勘を活かしながら医薬品候補となる化合物を設計・合成し、効果・安全性などを測定してバランスの良い化合物を選択している。一方、このプロセスを通過するための化合物は、1プロジェクト当たり平均4263個となり、1つずつ検証するため、3年以上の歳月と10億円単位の研究開発費がかかっている。

今回発表された研究により3社は、化合物最適化段階のコストおよび時間低減につながる技術を開発し、検証することを目指す。なお、同研究には、科学技術顧問としてIT/AI創薬の専門家である東京工業大学 情報理工学院の石田貴士 准教授が就任する。