PTCジャパンは12月12日、年次イベント「PTC Forum Japan 2017 ~フィジカルとデジタル融合の追求~」を開催。その中で行われたプレス向け説明会において、PTC Inc. アジア太平洋地域 統括責任者の桑原宏昭氏が、2018年の国内事業戦略について語った。

PTC Inc. アジア太平洋地域 統括責任者 桑原宏昭氏

PTC Inc. アジア太平洋地域 統括責任者 桑原宏昭氏

冒頭、桑原氏は同社が強く推進しているARのデモを実施。現状、即座にビジネスの現場で実用可能というものではないとしながらも、ARデモを見た顧客の反応は「必ず何かに使えるだろう」と、前向きなものが多いとのこと。また、11月29日から12月2日にかけて行われた展示会「2017 国際ロボット展(iREX 2017)」では、ThingWorxを用いたデモンストレーションを行っている企業もあったという。「時間はかかるかもしれないが、(ARは)徐々に広がっていく」と展望を語った。

また、同社は各ソフトウェアについて、既存の永久ライセンス形態からサブスクリプション形態への切り替えを推進している。前々年度(FY16: 2015年10月~2016年9月)からサブスクリプションへの移行は加速しているとのことで、FY17(2016年10月~2017年9月)においては、日本国内は新規契約のうち78%がサブスクリプションによるものとなっている。

  • ARデモの様子

    ARデモの様子。PTCのジェームス・E・ヘプルマンCEOの共著論文の掲載紙面上でARが体験できるようになっている。

  • PTCのサブスクリプション・ビジネスの推移

    PTCのサブスクリプション・ビジネスの推移

また、同社に先駆けてサブスクリプションへの移行を行ったオートデスクやアドビといった企業を挙げ、両社ともスムーズにサブスクリプションに移行しているとコメント。特に、3D CADの領域で競合するオートデスクでは、一時切り替えに伴う落ち込みがあったものの、契約数を伸ばしていることに言及し、同社としても切り替えにおける影響はさほど大きくはなかったということで、今年度からは(契約数が)回復に転じていく見込みと展望を述べた。

「サブスクリプションへの移行によって受注のサイズは小さくなったものの、新規顧客の数が大変好調に伸びている。第一四半期にはPLMの新規顧客が3~4件増加している」(桑原氏)

  • 同社の直近のビジネス・アップデート

    同社の直近のビジネス・アップデート

  • FY17における日本市場のハイライト

    FY17における日本市場のハイライト

そして、同社が推し進めるPLM分野での近況として、この3年間でPLMのRFP(Request For Proposal/提案依頼書)の数が非常に大きくなっていると語った。「100には届かないまでも、非常に近いだけのリクエスト」が届いており、それをこなすのに精一杯になっているという状況もあると明かした。同社にRFPを寄せている企業は、数兆円規模の大企業ではなく、その次の規模感の層が多く、他社CADを利用している企業からのオファーが多いという。同氏はこうした現況について、「PLMを受注するということは、フィジカルとデジタルの融合に生かすチャンスをいただけるということ」と評価した。

FY18(2017年10月~2018年9月)の年度予想について、契約総数では下降傾向ではありつつも、サブスクリプションの契約数が回復していることを受け、その上で3つの取り組みにフォーカスしていく。企業の各部門担当者に技術的提案を行えるだけの知識を持つ「CAD専門営業」の増員、「PLM中規模マーケットにおける勝率向上」、そしてIoT分野への積極的な投資がそれにあたる。

  • FY18における注力ポイント

    FY18における注力ポイント

  • 日本における主なユーザー企業

    日本における主なユーザー企業

特に、IoTに関しては年間30件受注している状況のため、専門チームを増設し、同社の社員全体の1割を同分野にシフトして注力すると述べた。また、IoT/AR分野に関して、売り上げ全体の15%を目標に拡大を目指すと明言。スモールスタートした分野だが裾野が広く、伸び率が大きいため、デジタルコンテンツを駆使して広い顧客にリーチしていきたいと語った。