Microsoftは2017年12月11日(現地時間)、量子コンピューティング開発に用いるQ#や、量子コンピューティングシミュレーターなど、量子コンピューター用アプリケーション開発を可能にする「Microsoft Quantum Development Kit(以下、QDK)」をリリースしたことを、公式ブログで明らかにした。公式ページからユーザー登録を行うことで、ダウンロードできる。同社は2017年9月に開催したカンファレンス「Ignite 2017」でQDKの開発を表明していた。

QDKは量子アルゴリズムを表現するためプログラミング言語Q#とコンパイラ。従来の言語制御とQ#量子アルゴリズムの両者をサポートするライブラリ。ベクトルシミュレーションやトレースシミュレーターなどをサポートする量子コンピューティングシミュレーター。そして、Q#ファイルとプロジェクト用テンプレート、構文用強調表示などを含むVisual Studio拡張機能で構成される。

  • Visual Studioの新規プロジェクト作成時に、Q#ファイルが現れる

    Visual Studioの新規プロジェクト作成時に、Q#ファイルが現れる

Microsoft Quantum Principal Research Manager, Krysta M. Svore氏は、「量子コンピューティングシミュレーターの初期テストでは、量子アルゴリズムがデータ内の微妙なパターンをより迅速に発見し、スピーチやビジョン、言語認識などの分野で大きな進歩を遂げる可能性がある」と述べている。

阿久津良和(Cactus)