説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『どうして「カメラ」に切り替えると音楽が止まるの?』という質問に答えます。

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iOSでは、『ミュージック』など音楽再生系のアプリはマルチタスクに対応しています。再生開始後に他のアプリに切り替えても(アプリがバックグラウンドに移る)継続して動作するため、音楽が途切れることはありません。このしくみはサードパーティー製アプリでも基本的には変わりません。

しかし、音楽再生系アプリはある条件が揃うと再生が止まります。他の音楽再生系アプリで音楽の再生を開始したとき、つまり音の再生経路を他のアプリに奪われたときには自動的に停止されます。音声出力機能を持つアプリで再生操作するか、あるいは起動と同時に再生する機能を持つアプリ(ラジオ/テレビを受信するアプリなど)を起動すれば、『ミュージック』などのアプリで音楽再生が止まることを確認できるはずです。

ところで、『カメラ』は音楽再生系アプリではありませんが、起動されるやいなや音楽の再生が止まります。再生操作どころか、アプリ切り替え操作を行い前面に表示しただけで、他のアプリの音楽再生は間もなく停止されます。

その理由は「シャッター」です。『カメラ』は音量調整ボタンを押すとシャッターを切ることができますが、それは『カメラ』が音の再生経路を握るからです。音楽を再生する機能こそ持たないものの、『カメラ』は音量調整ボタンの押下を監視する必要上、音楽の再生を停止しているのだと考えられます。

ただし、サードパーティー製の写真撮影アプリとなると話は別です。『Instagram』のように、音楽を再生しながら写真撮影できるカメラアプリは珍しくありません。『カメラ』と同じく起動されると音楽を停止するアプリもありますが、音量調整ボタンをシャッター代わりに使えない(音楽再生は止まるが引き続き音量調整ボタンとして機能する)ものもありますから、一律の法則があるわけではありません。

アプリを『カメラ』に切り替えるやいなや音楽再生が止まり、音量調整ボタンをシャッターレリーズに利用できるようになります