12月1日から解禁される、2015年新卒採用活動。その解禁に合わせて、大手広告代理店の博報堂、そして博報堂DYメディアパートナーズが0時から会社説明会を行うという。いったいどんな内容なのか、どうやって行うのか、実際に伺ってみた。

説明会会場は博報堂本社のカフェラウンジ

会場である博報堂の本社に着くと、まるでTVスタジオのようにカメラとモニターが設置されていた。そう、実際に学生を入れるわけではなく、生放送でWEB動画を配信する「祝! 就活解禁番組 ハッピー ゴング トゥー ユー」という番組形式の説明会だったのだ。しかも通常の説明会とは違い、社員の方がプレゼンバトルをして視聴者が勝敗を判定するという。

既に1,000人がログイン

前評判もあったのか、オープニング前から既に1,000人近い学生がログインして待機していた。緊張感走る現場の中、0時のカウントダウンが行われ、生放送がスタート! 登場するのは全員社員。第一の対決は「若手コピーライター対決」。2名のコピーライターが登場し、「スマホよりガラケーが欲しくなる言葉をひとことで」というお題にそって一言ソリューションを提供するというものだ。広告会社の仕事は、市場の拡大が難しい商品でもチャンスを開ける切り口を見つけなければならない。

タイプが違う2名のコピーライターが登場

「一生に一度でいいから、ケータイをまっぷたつに折ってみたい」「なんと、手袋をしても使える!」「私は、押したい!!!」などコピーを次々と生み出すコピーライターへの感想で、視聴者のコメント欄もどんどん流れていく。その反応を見ながら、コメンテーターや待機している人たちからは時々笑い声もあがる。緊張感がありながらも、和やかな雰囲気。

全部で5つのプレゼン対決が行われた

更に「海外勤務 VS 新規ビジネス対決」「仕事に生かしているプライベート対決」「座右の銘&この会社の魅力対決」や、「"留年"をポジティブにするキャッチコピーをひとことで」というお題に視聴者 VS コピーライターという形で対決するなど、双方向のコミュニケーションをとっていった。

プレゼンの資料もかっこいい…

「天才www」と大人気だった篠田さん

中でも人気があったのは「仕事に生かしているプライベート対決」に登場した、データサイエンティストの篠田さん。様々なデータを可視化する仕事をしながら、自分のデータをも可視化し「チャットデータを見ると朝4時ごろに"がんばる"というワードが頻出」「通話データを見ると、自分の友達が2人しかいないということがわかった」などの内容を力強く話していた。

最終視聴者は約8,000名!

コメンテーター陣

最終の視聴者数は約8,000名。好評の中終了した「ハッピー ゴング トゥー ユー」だが、いったいどういう意図で行われたものだろうか。

「パッケージの説明会資料でなく、プレゼン対決を通して会社のことを語れば、社風もふくめて生の社員に接することができるのではないかと考えました」と話すのは、人事局 人事部 マネジメントプラニングディレクターの金丸さん。


--昨年参加した学生の意見にはどのようなものがあったのでしょうか?

「何から就職活動をしたらいいのかわからなくてもやもやしていたところに、"元気が出た"とか"勇気が出た"と言ってもらえました。広告業界に限らず、就職活動全体の応援になれていたらうれしいです」

--12月1日の0時から説明会を行うのは珍しいですが…

終了後、みんな握手やハグで健闘をたたえあった。このあと打ち上げに行く人も

「12月1日の0時以降は、学生さんがWEBにいるタイミングだと思いますので、横において見てもらっても、と思っています(笑)。WEB上ではありますが、生の社員との接点というところで、直接人が話していることをきいてヒントになればと思いますね」

--ちなみに今日のスケジュールは?

「準備は15時から、カメラワークとかは18時過ぎくらいから、全体のリハーサルを20時から始めて…」

--かなりハードですね…

「はい、でも少しでも楽しんでもらえればという気持ちです。弊社は生活者発想を掲げ、採用活動では"PEOPLE EXPERT"をキャッチコピーにしています。画一的な人たちが集まるよりも、違った個性が集まる方が、チームでまとまったときにクリエイティブなものが生まれるので、出てくる人たちの"粒違い"を感じてほしいと思います」

ユニークな説明会の裏には、確かな採用コンセプトと学生への思いが詰まっていた。内容はアーカイブで視聴が可能、詳細は同社の2015年採用サイトから確認できる。