【特別企画】

作品を撮るワンポイント講座 ―旅写真は非日常のスナップ写真

旅の感動を写真に残す

2008/10/6

加藤真貴子

「That's撮れ録れフォトコンテスト」の4回目テーマは「旅(情景・乗り物)」。旅の思い出を残すためにカメラを持って旅立つ人も多い。しかし、旅の写真が定番の記念写真的になってしまい、その場の感動などを撮し切れていないという経験はないだろうか? そこで思い出深い旅写真のヒントを紹介したいと思う。まず前編では旅向け機材について考えてみたい。

非日常の旅はシャッターチャンスがいっぱい

旅写真というと難しく考えてしまう人もいるかもしれないが、なんてことはない。旅写真はスナップ写真の撮影と変わらない。つまり「心が動いた瞬間にシャッターを切る」だけなのだ。しかし日常で感動を撮ろうとしても、見慣れたものばかりなのでなかなか心が動かないこともあるだろう。そこで旅である。自分の知らない場所に行けば、初めて見る風景や人々に心動かされることがとても多いはず。自分の街のスナップ撮影に比べたら、シャッターチャンスははるかに増えるだろう。風景、人物、乗り物、動植物など被写体のジャンルは気にせず、心を動かされたらどんどん撮ってみよう。

旅写真が記念写真のようになってしまう一番の理由は、旅の記録としてランドマークや地名などを中心に撮ってしまうから。記録として残すのではなく、記憶として残すことを意識して撮影すればすぐに脱却できる。光や構図をちょっと工夫すると自分のイメージ通りの写真が撮れるようになるだろう。光や構図についてのワンポイントアドバイスは、「風景撮影の基本」で紹介しているので、参考にしてほしい。

家族旅行の思い出を、コンテストに応募してみよう

花や昆虫を大きく撮すことができるマクロレンズのワンポイントは、「マクロレンズの楽しみ方 - 初めての花マクロ撮影」を参考にして欲しい。昆虫との出会いも一期一会

鉄道写真のワンポイントは、連載「乗って! 撮って! 食べて! 江ノ電で旅気分」も参考に

海外旅行は文化が違うこともあり、新しい発見が多いはず。異国の風景は絵になりやすい

旅向け機材を考えよう

撮影機材が多すぎて、持ち運びだけで疲れてシャッターチャンスを逃しては本末転倒だ。旅写真の基本は、機材を厳選して荷物を減らすこと。そして少ない機材でいかに撮影するかが重要なのだ。

旅における撮影の比重(観光がメインなのか? 撮影がメインなのか?)や、移動する交通手段などで、持っていく機材は変わってくる。例えば、電車を使った家族旅行で、子どもの着替えやレジャー用具を持っていくなら、大がかりな撮影機材は家族からひんしゅくをかってしまうだろう。逆に撮影をメインとした旅なら、三脚や交換レンズ、予備のバッテリーなどもしっかり持っていきたい。またクルマを使う旅なら、機材を多めに持っていくことも可能になる。持っていく機材に悩むのも旅写真の楽しみのひとつかもしれない。

以下では、ニコンのカメラを例に、目的別の撮影機材を考えてみた。もちろんこれでなくてはならないということはないので、各自工夫してほしい。

家族旅行向け機材

家族旅行では荷物を減らしたいのでカメラ1台+標準ズームレンズ。エントリークラスのカメラは小型で軽量なので、旅行にも向いている。コンパクトカメラでもいいが、小さな子供はよく動くので、フォーカスの速い一眼レフをチョイスした。カメラの持ち運びはカメラバッグではなく、インナーバックやソフトケースを利用して、着替えなどと一緒にバッグに入れれば荷物が減らせる。

小型・軽量なニコン「D60」とキットレンズの「AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR」。このレンズはとてもコンパクトでかさばらない。18〜55mmの焦点距離でも、風景などはかなりフォローできる

ハクバ「ピクスギア カメラジャケット」。カメラ単体をスッポリと覆うソフトケース。レンズキットだけなら充分対応できる。ほかの荷物と一緒にバッグに入れて運ぼう

エツミ「クッションボックスフレキシブルL(E-6123)」。普通のバッグをカメラバックとして使うためのインナーケース。様々なサイズが用意されており、値段も2000〜3000円程度と手頃

スナップ撮影向け機材

スナップ撮影は機動力が命。軽量なカメラ+明るい単焦点レンズで自分が動き回って撮るのが楽しい。手持ち撮影が基本になるので、明るいレンズを選びたい。さらに機動力を重視するなら、ちょっといいンパクトカメラを選択肢に入れてもいいだろう。

ニコンの広角単焦点レンズ「Ai AF Nikkor 24mm F2.8D」。FXフォーマットで24mm、DXフォーマットで36mm相当の画角が得られる。非常に小型のレンズ。単焦点レンズなので、自分が動いて被写体の大きさを決めていこう

ニコンのコンパクトデジタルカメラ「COOLPIX P6000」。マニュアル撮影も可能なので、自分の撮影意図を反映できる

リコーの「GX200」。ズームレンズを搭載したちょっと高級なコンパクトカメラ。同社のGRデジタルもいい

オールマイティな撮影旅行向け機材

カメラ1台+高倍率ズームレンズ。旅写真の機材としてはこれが本命。18〜200mmクラスの高倍率ズームレンズが1本あれば、ほとんどの撮影はカバーできる。レンズ1本で済むので、三脚や予備バッテリーを持っていっても、機材の総重量は比較的軽くなる。

ニコンの最新モデル「D90」。画像、パフォーマンスともに申し分なし。レンズはD90の標準レンズともいえる「AF-S DX NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6G ED VR」

高倍率ズームの「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G」。D90と組み合わせると、27〜300mm相当の画角が得られる

タムロンの「AF18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC」。高倍率ズームに強いタムロンの最新作。D90と組みあせれば、400mm相当以上になる

風景撮影旅行向け機材 その1

高倍率ズームを基本にしているのは上と同じだが、マクロレンズと三脚を追加し、カメラもフルサイズとして撮影を重視したセット。花などを大きく撮影できるマクロレンズを持っていくと、撮影するバリエーションも広がる。マクロレンズは焦点距離が短いほうがコンパクトなので、旅には向いている。三脚も軽量でコンパクトに収納ができるものを選びたい。軽いカーボン三脚は山歩きなどで機動力を発揮する。

フルサイズ撮像素子の「D700」はボディが少々重いが、苦労するだけの価値のあるカメラ。ファインダーが広くて撮影していても気持ちがいい。レンズは高倍率ズーム「AF-S VR Zoom-Nikkor ED 24-120mm F3.5-5.6G」

広い風景だけでなく、足下にも美しい花などの魅力的な被写体がある。マクロレンズが一本あると重宝する。これはニコンの「AF-S Micro-NIKKOR 60mm F2.8G ED」

小型のカーボン三脚、ベルボンの「エル・カルマーニュ435」。旅向け三脚は、携帯性を重視して選びたい

風景撮影旅行向け機材 その2

かなり本格的な撮影を想定したセット。超広角ズームレンズ+標準単焦点レンズ+中望遠マクロレンズとした。カメラはD700を想定。マクロレンズは通常のレンズのようにも使えるので、中望遠はこれでカバーするが、焦点距離が足りないようだったらマクロレンズをコンパクトなものにして、望遠ズームを組み合わせてもいいかもしれない。

超広角ズームレンズは、美しい風景をめいっぱい写し取ることができる。「AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED」をチョイス

標準単焦点レンズの魅力は、小さいボディと明るい開放値の大きなボケ。「AF-S NIKKOR 50mm F1.4G」は2008年12月発売の新しい単焦点レンズ

中望遠マクロは標準マクロより焦点距離が長いので、被写体に近づけない場合でも大きく写し取れる。「AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G」は、手ブレ補正機能を搭載したマクロレンズ

メディアやバッテリーは充分な容量を!

画像を保存するメディアや、カメラを動かすバッテリーがなくなってしまっては撮影ができない。余裕を持って持っていこう。宿など電源が取れる場所に泊まるのなら、ACアダプターを持っていき、寝ている間に充電したい。長期旅行の場合は、画像をストックできるストレージなども便利なアイテムだ。

記録メディアは、予備はもちろんだが大容量のものを選びたい

泊まりがけの旅行なら、予備バッテリーやACアダプターも必要。ライブビュー機能をなるべく使わない、スイッチをこまめにオフにするなど、バッテリーの消耗を抑える撮影を心がけたい

長期旅行の場合、画像を保存できるフォトストレージがあると便利。エプソンの「ストレージビューワ P-6000」は、ホイールキーで素早い操作性が可能。容量は80GB

フィルターを活用して、写真表現を楽しむ

フィルターを使うと写真表現の幅が広がる。とくに風景撮影では強い味方になるアイテムだ。PLフィルターは光の中の偏光成分を取り除くので、水面の反射を減らしたり、空気中に拡散した光の反射を抑えるので鮮やかな風景を撮影できる。NDフィルターは光量を減らす働きを持つ。晴れた日に川や滝などの水の流れを表現する場合など、シャッター速度を遅くできる。ソフトフィルターは幻想的な風景になる。フィルターはかさばらないので、マクロレンズの代わりにクローズアップレンズを持っていくという選択肢もある。

 

PL(偏光)フィルター、ケンコー「PRO D WDEBAND サーキュラーPL(W)」。PLフィルターは風景撮影の定番アイテム。リングを回すことで効果変化する。デジタル対応のものを選ぼう
NDフィルター、ケンコー「PRO1 DプロND4(W)」。NDフィルターは色彩に影響を与えず光量を減光する。スローシャッターで表現したくても、明るすぎてシャッタースピードが速くなってしまうときに使う

ソフトフィルター、ケンコー「PRO1 Dプロソフトン(A)」。ソフトな描写を作り出し、幻想的な作品イメージを作り出す。ただし効果が強すぎると、不自然な印象を与えてしまうので注意

クローズアップレンズ、ケンコー「MCクローズアップレンズNO.2」。手軽にマクロ撮影ができるので荷物を減らしたいときに便利。また専用マクロレンズと違って広角マクロといった表現も楽しめる

タイトルで決まる写真の印象

コンテストの応募フォームを見るとわかるが、作品はタイトルをつけて応募する。タイトルはとても重要な要素だ。適当につけてしまうと、写っている写真が良くても、その良さを半減させたり、逆に良いタイトルを組み合わせると写真をより強く見せることができる。

第1回から3回までの受賞作品のタイトルをみても、「なるほど!」と思わせるものが多い。今回のテーマは「旅」だが、抽象的なテーマほどタイトルで写真の意味が変わってくる。例えば子どもが1人歩いている後ろ姿を撮った写真に、『迷子』と付けると今回のテーマでは応募することは難しいだろうが、『はじめてのひとり旅』ならアリではないだろうか。

といっても、タイトルで写真を説明しすぎてもつまらないし、凝りすぎたタイトルでは、何を伝えたいのかわからないこともある。タイトルを考えるのは難しいが、写っている写真をよく見て、言葉の意味や音の響きなどを吟味して、素直につけるとよい結果になる場合が多いようだ。タイトルという言葉の力を最大限に利用して、魅力的な1枚に仕上げて応募してほしい。

作例・まとめ:加藤真貴子(WINDY Co.)

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(マイナビニュース 広告企画)

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