サイボウズは、11月7日より独自開発のクラウド基盤「cybozu.com」を提供し、その基盤上で新たなPaaS(Platform as a Service)サービス「kintone」を1ユーザーあたり月額880円(税別、年額だと10,345円)で提供すると発表した。

「kintone」のトップ画面

「kintone」は、アンケートや売上集計、問い合わせ管理、日報、タスク管理など、日々の業務を効率化するWebアプリケーションを、パーツをドラッグ&ドロップし設定を変えるだけで、ノンプログラムで構築可能とし、ファストフードやファストファッションのように気軽に使える「ファストシステム」をコンセプトとしている。標準でデータベース、ワークフローのプロセス管理、コミュニケーションの各機能を有し、グラフや全文検索などの機能を搭載している。無料で使えるデータ領域は1ユーザーあたり1GBで、100GBごとに10,000円(税別)でディスク容量を追加できる。データベースの更新に関しては、すべて履歴が採取され、履歴からの復元も可能だという。

「kintone」パーツをドラッグ&ドロップし設定を変えるだけでアプリが完成

発表会では、その場で作成したアプリをすぐにiPadで動作させた

「kintone」の機能

なお、既存のサイボウズOfficeやデヂエのデータ移行については、今後ツールを提供する予定だという。

クラウド基盤「cybozu.com」では、サイボウズOfficeのスタンダード(税別月額500円/ユーザー)、サイボウズOfficeのプレミアム(税別月額650円/ユーザー)、大規模ユーザー向けのGaroonも順次提供される。

「cybozu.com」では、一般的なセキュリティ対策に加え、ログイン認証を強化した、サイボウズ独自のクラウド基盤を開発し、ユーザーごとにサブドメインを取得し、異なる専用のログインURLが提供されるほか、オプション(税別月額250円/ユーザー)で個人別の証明書発行をサポートする。

「cybozu.com」では、ユーザーごとにサブドメインを取得し、異なる専用のログイン画面を提供

オプションで個人別の証明書発行をサポート

同社 代表取締役社長の青野慶久氏は、「cybozu.com」をプライベートクラウドでもなく、パブリッククラウドでもなく第3の選択肢である「Proteced Cloud」と表した。稼働率の99.9%は目標値だが、将来的には保証することも考えているという。また、「cybozu.com」のAPIは公開し、サードパーティによるソリューションの提供を促していくという。

「cybozu.com」を発表する青野社長

「cybozu.com」を提供するデータセンターの概要